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IB Times 2013年7月19日 19時47分 更新
http://jp.ibtimes.com/articles/46860/20130719/1374230821.htm
焦点:中国経済が米企業業績の重しに、中間層の拡大に期待も
中国経済の減速が米国企業の重しとなり始めている。
米大手企業の中国売上高比率は近年、急上昇しているが、かつて2桁成長を誇った中国経済は7.5%成長に減速。
過剰与信や住宅バブルに対する懸念も浮上している。
外食大手のヤム・ブランズ(YUM.N)、半導体大手のインテル(INTC.O)など、中国売上高比率が高いS&P500採用企業18社中、12社は年初来の株価騰落率がS&P総合500種指数.INXを下回っている。
ニューエッジの市場戦略担当ディレクター、ロバート・バン・バテンバーグ氏は
「米国企業の中国売上高比率は近年、大幅に増えており、中国の影響が年々大きくなっている」
と指摘。
メリルリンチのファンドマネジャー調査でも、中国経済のハードランディングに対する懸念などを背景に、新興国株式への投資配分が約12年ぶりの水準に低下している。
米国では、工業、高級品、商品(コモディティー)、消費財分野の企業で、中国売上高比率が大きく伸びている。
17日には著名ヘッジファンドマネジャーのジム・チェイノス氏が、建機大手キャタピラー(CAT.N)の株式を空売りしていると表明。
同社株が下落した。
同氏は以前から、中国経済が崩壊に向かっているとの認識を示している。
キャタピラーは、売上高の約25%をアジア・太平洋地域に依存している。
■<厳しい見通し>
ケンタッキーフライドチキン(KFC)を運営するヤム・ブランズが先週発表した四半期決算は15%の減益。
KFCの中国販売が昨年12月以降、落ち込んでいることが響いた。
ヤム・ブランズの中国売上高比率は51%と、2010年の34%から急上昇している。
インテルの中国売上高比率は16%。同社もパソコン販売の低迷と中国の景気減速に対応するため、通期の売上高予想を下方修正。
設備投資の縮小も決めた。
半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)(AMD.N)の中国売上高比率は58%に達する。
2010年時点は45%。
四半期決算の1株損益は0.09ドルの赤字だったが、プレスリリースで中国への言及はなかった。
ソシエテ・ジェネラルは、
中国の経済成長率が2020年までに「4─5%に低下」する可能性がある
との見方を示している。
■<中間層に照準>
中国政府は、現在人口の40─41%を占める中間層を2020年までに45%程度に拡大する計画を掲げており、一部のアナリストは、企業がこうした中間層をターゲットにすれば、中国売上高は着実に伸びると予想している。
ウィリアム・ブレア(ニューヨーク)のアナリスト、ニコラス・ヘイマン氏は、複合企業ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX.N)傘下のオーチス・エレベーターが、中国で順調に事業を拡大していると指摘。
中国ではエレベーターの需要が供給を上回っているという。
飲料メーカーも、拡大する中間層に期待を寄せている。
コカコーラ(KO.N)のムーター・ケント最高経営責任者(CEO)は今週、
「中国の長期見通しに非常に強気だ」
と発言。
中国は巨大消費市場であり、新たな中間層の勢いはすさまじいとの見方を示した。
ただ、欧州経済の低迷が長引き、米国内の景気回復の足取りも重い中で、中国経済が減速しているのは、企業にとって痛手だ。
調査会社ランゲンバーグ(シカゴ)の創業者ブライアン・ランゲンバーグ氏は
「中国は、工業分野のあらゆる企業に影響を及ぼす。
機械メーカーは、総じて景気に敏感であり、不安定で、負債比率が高くなる傾向がある」
と指摘。
「キャタピラーは、在庫が適切な水準に戻りつつあると言うかもしれないが、株価の見通しは、中国の潜在的な成長率をどう予想するかに左右される」
と述べた。
キャタピラーはすでに通期の業績予想を下方修正。
来週、新たな予想を示す可能性もあるが、鉱山向けのトラック、ローダーの売上高が50%減少するとの見通しを示している。
ノースウエスタン・バンク(ミシガン州)のバイスプレジデント、ペリー・アダムズ氏は
「インフラ分野、建機のキャタピラー、ジョイ・グローバルなどが打撃を受けている。
他の企業に波及する可能性もあるだろう。この四半期は、そうした傾向が表面化するのではないか」
と述べた。
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[減速する成長、そして増強される軍備]
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