●19日、日ロの高官が領土問題で接触を重ねている一方で、日中関係は膠着常態に陥っている。中国は尖閣諸島を「核心的利益」であると明言しており、まもなく開催されるG20での首脳会談の見通しも立っていない。資料写真。
レコードチャイナ 配信日時:2013年8月22日 0時28分
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日露が領土問題交渉、経済協力が真の狙いか―中国メディア
2013年8月21日、国際金融報が伝えたところによると、日本とロシアは現地時間の19日、ロシアの首都モスクワで外務次官級協議を行い、北方四島(ロシア名:南クリル諸島)問題についての交渉が再開した。
中国社会科学院(社会科学アカデミー)日本研究所の厖中鵬(パン・ジョンポン)氏(専門は日本問題)によると、このたびの次官級協議の背景には、
今年4月にモスクワで主要20カ国・地域(G20)首脳会合(サミット)が行われた際、日本の安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が途絶えていた領土交渉を加速させ、交渉を踏まえて両国間で平和条約を締結し、領土問題を解決するとの方向で一致したことがある。
長引く領土問題を解決するため、両国は密接な連携をみせている。
日本の複数の外交関係者によると、ロシア政府は6月、日本政府にロシアの国内法に基づく北方四島の開発プランを提起したが、日本政府はこれを拒否したという。
日本政府は今月15日、世耕弘成官房副長官を議長とする日ロ経済交流促進会議の初会合を開いた。
外務省、財務省、経済産業省、農林水産省など関連部門の局長クラスが参加し、ロシアとの交流を拡大する方針を確認した。
日本政府は今回の次官級協議の後、9月に行われるG20サミットや10月に行われるアジア太平洋経済協力(APEC)の会合に合わせて安倍首相とプーチン大統領の首脳会談を行い、具体的な協力について話し合いを進めたい考えだ。
秋にはロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が日本を訪問してさらに話し合いを進め、領土問題をめぐる両国の交渉を強化するという。
これだけではない。
山本一太内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)は北方四島のロシア側住民とかつてそこに住んでいた日本人のノービザ交流に参加する予定で、9月には国後島と択捉島の訪問も予定している。
日本の現職閣僚が北方四島を訪れるのは8年ぶりのことだ。
厖氏によると、安倍氏は首相再任後に民族主義的な傾向が強まり、領土問題でも強い態度を取るようになった。長引く日ロ間の北方領土問題で進展があれば、安倍首相は日本民族に大きく貢献した政治家ということになる。
▽.酔翁の意は酒に在らず
だが「酔翁の意は酒に在らず」(酒飲みの関心は酒そのものにあるのではなく、周りの美しい山水の景色にあるということから、真意は別のところにあるの意)で、ロシア側には単なる領土問題だけではない別の意図もある。
日本誌「外交フォーラム」8月19日号に掲載された文章によると、
ロシアの意図はエネルギー政策への配慮に基づき日本との関係を強化することにある。
厖氏によると、
「長い間、ロシアのエネルギー輸出市場は欧州が中心だったが、米国がシェールガスの生産に力を入れるようになって世界のエネルギー地政学が変わり、欧州が今後数年でロシアからのエネルギー輸入を米国からのシェールガス購入に切り替える可能性が出てきた。
そうなればロシアのエネルギー輸出市場にとって大きな制約となる。
そこでプーチン大統領が再任されると、エネルギー輸出市場を調整・整理することが新政権の重要な任務になった。
アジア・太平洋市場はロシアにとって欧州に次ぐエネルギー輸出先になる見込みだ。
とりわけ日本は早くからロシアの豊富な石油・天然ガス資源に目を付けてきたが、両国の政治的関係が冷え込んでいるため、エネルギー協力はここ数年、低い水準にとどまっていた。
このたび両国関係が改めて強化されたことは、
ロシアが日本をアジア太平洋地域のエネルギー輸出市場における重要な存在とみなしたこと、
日本がロシアをエネルギーの安全保障強化のための重要な輸入源とみなしたこと
を意味する。
また日本には、対ロ関係の整備を硬直状態にある「隣国外交」の重要な突破口にしたい考えもある」
という。
必要があれば助け合うということで、日本側は今を交渉の好機とみなしている。
同誌によれば、安倍内閣の谷内正太郎内閣官房参与はこのたびの参議院議員選挙に先立ち、日本にはプーチン大統領の任期中に領土問題を解決するのだという決意が必要だ。
プーチン大統領の問題解決に向けた「引き分け」発言を、すぐに拒絶するようなことはしてはならない。
日本側は「引き分け」を枠組として受け入れ可能な解決の道を探るべきだ
と発言した。
▽.交渉で実質的な成果を得るのは難しい
厖氏によると、交渉を通じて領土返還を求めるのが日本の取り得る唯一の方法だ。
両国の国力を比較すると、ロシアが優位にある。
ロシア側の考えでは、北方四島は第二次世界大戦中にロシアが日本ファシズム掃討に乗り出した重要な地点であり、戦勝国として獲得するのが当然の場所だ。
日本に譲歩して四島を返還すれば、第二次大戦後の世界秩序を否定することになる。
一方、日本側の考えでは、北方四島が返還されれば日本は「敗戦国」の身の上から脱し、ロシアと対等になり、対等の関係を発展させることができる。
そこで日本はロシアとの領土問題の交渉では、長年にわたり一貫した態度を取り、北方四島返還の道をあれこれと探ってきた。
ある分析によると、ロシアは日本からの北方四島返還の要求に回答しておらず、今回の交渉で実質的な進展を遂げることは難しい。
プーチン大統領がかつて
「ロシアは世界で領土面積が最も広い国だが、余分な領土は少しもない」
と述べたように、ロシアでは多くの人が領土を守ることを信仰のように大切に考えている。
厖氏によると、ロシア民族の性質から考えて、一度手に入れた領土を譲ることはかなり難しいため、ロシア側は交渉でこれまでの立場を継続する可能性が高い。
両国間で条約が調印されたとしても、日本に返還されるのは面積の小さい歯舞島と色丹島だけだ。
日本側はまず四島が返還されてから平和条約を締結するというこれまでの立場を堅持しており、これでは領土交渉は進展しない。
このたびの交渉は次官級協議であり、交渉に臨む双方の代表が主導権を握っているわけではなく、それぞれの立場を述べるにとどまり、一致点を探るのは難しいとみられる。
また、今回の交渉では経済貿易分野における双方の協力強化が狙いともみられる。
石油・天然ガスの開発などだ。日本には資金と技術があり、ロシアにはエネルギー資源があるが、ロシアの極東地域のインフラ、たとえば港湾関連設備、資源を輸送するパイプライン、永久凍土での石油・天然ガスの掘削方法などは立ち後れて、エネルギー開発に必要な資金や開発技術も不足している。
こうした立ち後れや不足を日本なら埋めることができる。
日ロ双方がエネルギー協力におけるエネルギー輸出価格の開き、日本企業の株式保有率の開きといったさまざまな開きを埋めることができれば、両国のエネルギー協力はさらに深く発展することになる。
また両国は自動車、環境保護、電力などの分野でも協力を展開することが可能で、日本は特にロシア自動車市場の開発を希望している。
(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)
』
ロシアの最大の懸案は中国にある。
何しろ地続きの長い国境線をもっている。
バランスが崩れれば、中国がロシアに侵攻するのは目に見えている。
しかし、いま中国は国内と海洋で手一杯でロシアには力をさけない。
そこで、中国は「中露蜜月」というパフォーマンスを演出することになる。
中国のウラをロシアは読んでいる。
同じように、ロシアの裏くらいは中国も読んでいる。
中国は今日、ロシアにとっては重要な武器の輸出先である。
いわばおトクさんである。
粗末に扱うわけにはいかない。
とはいえ、安易に武器を中国に販売するわけにもいかない。
なにしろ中国は「パクリ大国」である。
その高度なパクリで、ロシアの武器をコピーして、それが国内に十分満たされれば、コピー武器の使い先はロシアに向かってくることは重々承知している。
いわゆる「ブーメラン効果」である。
今日のおトク様が明日の大敵となるがそのことは理解している。
ロシアはそのあたりのバランスで対中を睨んでいる。
またロシアとしては、あまり中国が大国化するとアメリカが出張ってくるという嫌なことも予想されるので、これもマイナスに傾く。
そのためには、海洋は日本に中国を抑えて欲しいとこだろう。
しかし、日本もロシアの隣国である。
中国が強国化すると、それに連れて日本も強国化する。
2つの海洋大国に抑えられてしまう可能性もある。
ロシアはその間で取り残されてしまう危険性もある。
アメリカが割って入ってくるとさらにややこしくなる。
いろいろ想定するとロシアにとっては少々、面倒な展開になってくる。
どうすべきか、どう動くべきか。
ロシアもすこぶる大変なのである。
『
サーチナニュース 2013/08/23(金) 11:06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0823&f=politics_0823_006.shtml
わが国は日本による突発事件に対応できる準備を整えよ=中国
日本は戦争の準備ができたのか――。
20日付のロシア紙プラウダ(電子版)は、最新鋭ヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」の進水、水陸両用戦車の調達など日本の急速な海洋勢力拡充により、同地域の軍事力のバランスが崩れつつあると論じた。
しかしそれでもロシア紙は、日中間で大規模な衝突が発生することはないとしている。
中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。
**********
日本は過去に、
規模が何倍も大きかった帝政ロシア、
国力として何倍も上の米国
に危険を冒して挑んだことがある。
今度は中国に戦争をしかけはしないだろうか?
ロシア紙プラウダは、専門家の多くが
「少なくともこの数年は、尖閣諸島(中国名:釣魚島)のために日中両国が全面戦争を起こすことはないとの見方を示した」
と報じた。
ただ両国間の緊張関係は長期間にわたって続き、尖閣諸島問題が地域の軍拡競争を直接的あるいは間接的に触発する可能性がある。
中国の専門家は
「日本国憲法には交戦権否認が明記されているうえ、両国の軍事力を比較すると、日本はこの100年で中国に対してもっとも軍事的優位がない時期といえるかもしれない。
日本が中国に戦争をしかけても間違いなく良い結果はなく、日中間の大規模な衝突は両国の利益に見合わないが、日本が摩擦を起こす可能性は排除できない。
日本は過去にも軍が外で問題を起こし、政府に圧力をかけた状況がある。
中国がすべきことは注意を怠らないことで、突発事件に対応できる準備を整えておくことだ」
と主張した。
』
だんだん、
「中国が日本に尖閣奪回戦争を実行する」
という雰囲気から。
「日本が中国に戦争を仕掛ける」
に変わってきている。
表面的な中国の論調は変わらないのだが、どうもなにかがウラで動いているような感じがする。
『
サーチナニュース (2013/08/26-14:47)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013082600431
ウクライナの武器輸出懸念=中国向け、日本の安保に直結
【キエフ時事】
岸田文雄外相は26日のコジャラ・ウクライナ外相との会談で、
ソ連の軍需産業を受け継いだウクライナから中国への武器輸出に懸念を伝える見通しだ。
中国の海洋進出で東アジアの安全保障が揺らぐ中、看過できない問題としてウクライナ側の理解を得たい考え。
中国では2012年、初の空母「遼寧」が就航。
これはウクライナから旧ソ連製空母「ワリャーグ」を購入・改修したものだ。
中国は艦載機の発着訓練を進めているが、こうした
空母関連技術やノウハウもウクライナから入手した
と専門家の間で指摘される。
ロシアは対中警戒感に加え、中国がロシア製兵器を模倣生産する恐れから、軍事技術の移転に二の足を踏む。
そこで中国は、ウクライナに注目。
遼寧の艦載機「殲15」は、ロシアのスホイ33戦闘機のプロトタイプ(試作機)をウクライナから購入してコピーした。
他にも中国は最近、ソ連が開発した世界最大のホーバークラフト式揚陸艦「ズーブル」をウクライナから購入。
南シナ海や東シナ海での島しょ上陸作戦が念頭にあるとの見方も浮上している。
沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船の動きが活発になる中、ウクライナの武器輸出は日本の安全保障と無縁ではない。
』
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