2013年7月16日火曜日

インド対中国の対立:尖閣紛争の代替的役割を狙っているという危険

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●15日、インド北部のジャム・カシミール州東部のラダック地方で11日、中国人民解放軍のヘリコプター2機が領空を侵犯した。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月16日 0時38分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74315&type=0

中国軍ヘリが領空侵犯か、インド北部カシミール地方―インド紙

 2013年7月15日、インド紙プレス・トラスト・インディアによると、インド北部のジャム・カシミール州東部のラダック地方で11日、中国人民解放軍のヘリコプター2機が領空を侵犯した。
 偵察活動とみられる。網易が伝えた。

 それによると、領空侵犯があったのは11日午前8時ごろ。
 ラダック西南部のチュマル上空で、中国機はしばらく旋回した後、中国領空に戻ったという。
 しかし、インド軍は「中国機は領空に近付いただけ」と説明している。

 報道によると、中国軍は先月17日にもチュマル地域に侵入。
 インドの監視カメラ1台を破壊し、インド側が強く抗議していた。
 同地域をめぐっては、4、5月にも中印双方がにらみ合いを続け、緊張が高まっていた。
 インド国防省によると、中国軍の越境行為は過去3年で600回以上に及んでいるという。


 インド国境では意図的に中国が仕掛けている
 それはおそらく、尖閣問題が行き詰まりをみせたときの代替としての役割を担わせるためであろうと想像される。
 日本の強硬な態度に出会って尖閣問題では中国政府はポイントを稼げない。
 せいぜいのところ、巡視船の鬼ごっこならびにプラスアルファくらいである。
 ここで偶発的であっても戦争状態に入ったら、
 日本にもダメージはあるが、中国にはそれ以上のダメージがふりかかる
ことは目に見えている。
 もしそんなことになったら中国国内で何がおきるかわからない。
 共産党政権というのは、そういう危険な橋は渡らない。
 ラッパは大きく吹くが、詰めでは腰が引けてしまう。
 とすればもし尖閣が行き詰まって、国内が沸騰した時のガス抜きをあらかじめ手当しておくというのが政治の常套である。

 中国にとって国境でイザコザが起こせるのは、ロシア、台湾、ベトナム、そしてインドである。
 ロシアは今のところ軍事の重要な供給元であるから手出しができない。
 できるだけ「仲良くポーズ」をとっておかねばならない。
 先日のほとんど中身がない中露合同軍事演習の「海上連合2013」などはそのミエミエの演出であろう。 
 ロシアにとって中国は武器のお得意様である。
 別に同盟仲間ではない。
 ロシアは同じ様にベトナムにもインドにも他のアジア諸国に武器を売っている。
 中露合同軍事演習とはお得意様サービスみたいなものでらう。

 台湾で事を起こすのが一番いいのだが、アメリカが後ろにいるので少々難しい。
 というより、完全に乗っ取らないと、台湾の独立に火をつける結果になりかねないので、簡単には手が出せない。
 藪からヘビを出してもしょうがない。

 ベトナムとはすでに過去にやっているが、負けてしまったという結果を残している。
 リベンジということも考えられるが、ベトナムとやるというのは小国をいじめるような雰囲気を世界に振り撒く可能性があってあまり印象のいいものではなくなる。

 そこで残るはインドである。
 インドは中国とならんで今後のアジアの雄になる可能性が大きい。
 よって、ここでイザコザをおこすことは、ベトナムあたりよりもはるかに国内のガス抜きにはもってこいになる。
 ちょっかい出しておいて、
 いつでも紛争が起こせるような状態にしておくということ
が中国の目論見であろう。


(2013年7月21日19時51分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130721-OYT1T00560.htm?from=ylist

中国軍、インド支配地域にまた侵入…2日間対峙

 【ニューデリー=田原徳容】21日付インド紙ヒンドゥスタン・タイムズは、インドと中国が領有権を争うカシミール地方のインド側支配地域に今月16日、中国軍部隊約100人が侵入し、2日間にわたりインド軍と対峙(たいじ)したと伝えた。

 両国軍は今年4~5月に同地方で約3週間にらみ合ったほか、インド外務省によると中国軍部隊が6月にも侵入し、インド軍の監視用施設を壊したとされる。
 両国首相や閣僚級が国境問題で協議を続けるさなかの度重なる侵入に、
インド側は不信感を募らせている。



レコードチャイナ 配信日時:2013年7月22日 15時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74549&type=0

インドが中国との国境沿いに兵力5万人増強、中国の挑発行為を警戒か―英紙

 2013年7月20日、人民日報(電子版)によると、英紙フィナンシャル・タイムズは、
 インドが中国をパキスタンよりも大きな脅威とみなし
国境周辺の兵力増強を目指すと報じた。

 インド政府は中印国境沿いに兵力5万人を増強する方針を固めた。
 インドメディアの報道によれば、中印国境に配置される新たな部隊は「山岳戦闘部隊」。
 インドの現役軍人は現時点で130万人いるという。

 安全保障閣僚会議の決定によると、インド政府は国境軍備強化に今後7年間で110億ドル(約1兆1000万円)を投じる計画だ。
 シン首相率いる安全保障閣僚会議は、国防大臣、内務大臣、外務大臣、財務大臣で構成されているが、兵力増強に関する正式な発表はこれまでのところ出されてない。


 中国がインドを挑発する理由の一つは、
 尖閣問題で行き詰まって社会の不満が政府に向けられることを恐れているからだ。
 中国が日本と紛争を起こすことは、
 中国政府の進退にまで発展する可能性を大きく含んでいる
 日本はヤルキで構えているが、中国にはその気はない。
 そのために
 中国としては尖閣問題を代替する国境紛争が必要
になってきている。
 それがインドである。
 インドもそのくらいのことは気づいている。
 尖閣の代わりに中印紛争をおこされてはいい迷惑になる。
 インドはよってあらかじめ中国とは紛争を起こさないように、起こせないように手を打っておかねばならない。


レコードチャイナ 配信日時:2013年8月13日 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75467&type=0

中国とインド、ヒマラヤ水系の水資源争奪戦が新たな紛争の火種に―英紙

 2013年8月10日、英紙ガーディアンによると、ヒマラヤ山脈を水源とする河川でのダム建設による水資源の争奪戦が、中国とインドの新たな紛争の火種になっている。
 12日付で環球時報が伝えた。

 インドやネパール、ブータン、パキスタンなどは現在、新たな発電資源を求め、ヒマラヤ水系でのダム建設計画を進めている。
 これらの国は合計で400カ所以上の水力発電所の建設を計画しており、総発電量は英国の使用電力の3倍以上に相当する16万メガワットにも達する。
 このうち、インドは今後20年間に水力発電所292カ所の建設を計画しており、完成すれば、流域約32kmに1カ所の割合でダムが存在する世界で最もダムの密度が高い地域になる。

 一方、中国はこれらの河川の上流に位置するチベット地区に水力発電所約100カ所の建設を計画中だ。
 これらが完成すれば、中国はヒマラヤ山脈を水源とする河川に対する最終的なコントロール権を握ることになる。
 カナダの専門家は
 「チベット高原は多くの河川の源であり、世界の約半分がこれらの河川に依存している。
 ダムの過度な建設は最終的に災難をもたらすだろう」
と警告している。

 インドの地政学者Brahma Chellaney氏は
 「中国は大規模な水資源戦争を仕掛けている。
 自らがチベット高原の水域にダムを建設するだけでなく、パキスタンやラオス、ミャンマー、その他の地域に対してもダム建設のための融資を実行している」
とし、
 「中印紛争はすでに領土から水資源に移り、水資源が新たな紛争の火種となっている
と指摘した。
 しかも、中国は巨大なダムを建設する能力を持っているだけでなく、様々な抵抗を排除する実力も備えており、
 「中国にとっては銃弾を1発も打たないで済む非常に効率的な戦いである
と分析している。

 また、環境問題の専門家は、ダムの建設は洪水や地震を増加させる可能性があると指摘。
 また、ヒマラヤ水系の主要河川の水量は50年までに10~20%失われる可能性があり、発電量に影響するだけでなく、この地域の政治的な緊張をさらに高めることになると危惧している。



レコードチャイナ 配信日時:2013年8月14日 8時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75481&type=0

ロシアから離れるインド、日米と協力して中国に対抗=対米貿易急拡大―香港メディア


●12日、インドとロシアの関係は表面的には安定しているが、現実にはロシアのインドに対する影響力は弱まり続けている。資料写真。

2013年8月12日、環球時報(電子版)によると、インドとロシアの関係は表面的には安定しているが、現実にはロシアのインドに対する影響力は弱まり続けていると、香港の中国評論通訊社が11日に報じた。
 インドは中国に対抗するため米国や日本との軍事的協力関係の強化を積極的に進めているという。

 ロシアは中国・インドと3カ国戦略関係や、BRICs各国や上海協力機構(SCO)との協力強化などの外交方針を打ち出していたが、南アジア及びアジア太平洋地域の現実にそぐわなくなってきている。
 そうした中、インドと米国の協力関係強化が明確になっている。
 6月には米ケリー国務長官がインドを正式に訪問しており、インドの米国との貿易額が1000億ドル(約9兆7000億円)に達しているのに対し、ロシアとの2012年貿易額は110億ドル(約1兆円)にとどまっている。

 ロシアはインドの武器市場においても存在感が弱まっている。
 インド空軍が大型輸送機をロシアのIl-76機に代えて米国のC-17を購入することを決定するなど、ロシアの兵器メーカーはここ2年だけでも130億ドル(約1兆2600億円)を超えるインドとの契約を失っている。

 こうした変化の背景には中国の経済力、軍事力の増大があるほか、近年ロシアが中国との戦略的パートナーシップの強化を優先していることもインドのロシアとの関係に悪影響をもたらしている。
 米国や日本などとの軍事的・政治的なパートナーシップを強化することで中国を抑え込もうとする意図があるとみられる。


減速する成長、そして増強される軍備


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