2013年7月14日日曜日

『マイナス情報症候群』の治療:「厳しい規制にはいるぞ」 という中国政府の警告

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●11日、ネットユーザーが「マイナス情報」に注目し、転送したがる傾向の背景には、それに対して万人が共有している生存空間を良い方向に向けたいという心理的欲求、共同運命への共鳴がある。写真は重慶市永川萱花高校の学生、大学入試の願書作成をしている。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月14日 10時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74246&type=0

12万回転送のブログコメント、実は3年前の出来事
=原因は「マイナス情報症候群―中国

 2013年7月11日、「微博」(ウェイボー・ミニブログ)に先日投稿された「河南省開封市農村部出身の李盟盟(リー・モンモン)さん、高考(全国統一大学入試)で565点の高得点を獲得したが、入学願書を提出しなかったことから、入学を許可されなかった」というコメントは短時間で12万回以上転送された。
 しかし、調査の結果、これは3年前の出来事であり、李さん本人は3年前の9月、無事大学に入学している事実が判明した。
 李さんは、
 「ネット上に飛び交う情報が、事実とかけ離れていくことがないよう望んでいる」
と話している。
 中国青年報が伝えた。

 3年前のこの事件について遡ってみよう。
 当時、全国統一大学入試の李さんの得点は565点、河南省理系重点大学の合格ラインを13点上回った。
 河南省は同年からオンライン願書受付をスタートした。
 PCの操作に慣れていなかった李さんは、オンラインによる願書提出をせず、省の入学弁公室に出向いて願書を提出した。
 だが、弁公室のPC入力担当者が、未入力の李さんの願書を引き出しに入れて鍵をかけたまま忘れてしまったため、李さんは「不合格」扱いとなった。
 この事実が「微博」で明らかになったところ、10万のネットユーザーによって転送されて大騒ぎとなり、最終的には特例として李さんは晴れて希望する大学への「合格許可証」を手に入れた。

 「奇跡」が起こった時、数万人に及ぶネットユーザーは、
 「万能のウェイボー!奇跡のウェイボー!正義のウェイボー!愛のウェイボー!李盟盟さんは無事大学入学を果たした!」
と歓喜の書き込みを寄せた。
 しかし、3年経った今、事件の主役は李さんのままで、ネットユーザーによる転送回数も10万回を超えているが、もはや「万能・奇跡・正義・愛」は姿を消し、その代わりに「偽り・欺瞞・真実からの乖離・撹乱」がネット上にあふれた。
 この違いから、
 「ウェイボーとは結局何?
 ネットユーザーとは結局どんな人たち?
 なぜ『正義感に満ちたネットユーザー』が『欺瞞に満ちたネットユーザー』に変身したの?」
という深遠な疑問が浮かび上がってくる。

 ウェイボーがずっと「マイナス情報症候群」に罹患(りかん)している事実は否定できない。
 米市場調査会社ニールセンが2010年に発表した調査報告書は、アジア太平洋地域で、製品に関する批判的なコメントの発表を最も好むのは中国人としており、
 「マイナス情報こそ共有したい」
とした中国人ネットユーザーは世界平均(41%)を上回る62%に達した。
 その後行われた中国青年報社会調査センターの調査によると、中国人ネットユーザーの41.3%は
 「ニールセンの調査結果は的を得ている」
と認めた。
 そして現在、「マイナス情報」に親近感を覚えるネットユーザーの対象範囲は、もはや商業・消費分野だけに限らず、社会生活全体に及んでいる。

 「不合格」から救出されたという3年前の出来事であれ、「虚偽情報」が多数転送されて迷惑を受けたという今回の出来事であれ、ネットユーザーの注目を集めるのは「マイナス情報」だ。
 前回は、「全国大学統一入試で565点を取ったのに、不合格になった」、そして今も、これからも、同じような良からぬニュースが人目を引く。
 3年前のニュースは事実だったことから、転送回数の多さがプラスのエネルギーに集結した。
 今回の情報は嘘っぱちで、転送されればされるほど、傷口は広がっていく。
 社会は、「賢さと愚かさ」「真相と嘘」のせめぎ合いによって進歩する。
 「マイナス情報症候群」は、ある程度までは恐れるに足らない。
 恐ろしいのは、それによって無意識に消極的な態度を取ることだ。
 オンラインによる願書提出は、スタートしてすでに数年が経過したが、どのようなルートで申請したのか、事実をしっかり見極めることについて、一部のネットユーザーは、より理性的・客観的な姿勢を身に付ける必要がある。

 また、見方を変えると、ネットユーザーが「マイナス情報」に注目し、転送したがる傾向の背景には、それに対して万人が共有している生存空間を良い方向に向けたいという心理的欲求、さらにはその中に存在する共同運命への共鳴がある。
 ロサンゼルス精神衛生センターのシニア顧問を務めるUCLA・Damien Lu教授はこれについて、
 「ある企業や一職業人のスキャンダルが発覚すると、人々は、関係者全員に警戒心や懐疑を抱く。
 これはいたって正常な反応だ。
 よって、ネット上における
 『マイナス情報症候群』を治療するためには、
 ネットユーザーの成熟・進歩のほか、
 制度面からも適宜、社会の欠陥を是正しなければならない。
 大学入試制度に『救済措置』が設けられれば、『ネットユーザーを惑わすウェイボー』の投稿が、大量に転送されるような事態が発生することなどあり得ない」
とコメントした。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)


 なにかウソくさい。
 つまり、当局のネット情報の操作・規制を正当化するための記事のように見受けられる。
 『マイナス情報症候群』を治療するためには、
とくれば、答えはおのずと知れてくる。
 制度面からも適宜、社会の欠陥を是正しなければならない
 これから、ネット情報に対して
 「厳しい規制にはいるぞ」
という中国政府の警告メッセージだということであろう。
 先の外国人記者にたいする制限といい、このネット規制といい、中国は徐々に自由な発言の道を閉ざされる方向に進んでいるようである。
 それだけ、中国の状態が行き詰まってきつつある、ということなのだろう。
 もう、自由に喋らせておくわけにはいかない。
 自由にさせると危うい、と感じつつあるということだろう。


「微博」(ウェイボー・ミニブログ)の最新記事。

サーチナニュース  2013/07/16(火) 09:31
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0716&f=national_0716_011.shtml

汚職役人のものになるなら…尖閣諸島など不要だ=中国版ツイッター

  中国版ツイッターである微博の1句実話(アカウント名)さんがこのほど、
 「中国が尖閣諸島(中国名:釣魚島)を取り戻したら」
という仮定の話として、島の扱いについて持論を展開したところ、微博ユーザーからさまざまな意見が寄せられた。

  1句実話さんは、いくつかのプランを紹介し

●.島を国際的な観光地にする、
●.高級ホテルを建設して高級ゴルフ場やリゾート施設を作る、
●.愛国主義教育の基地として250元の入場料を取る、
●.低收入、低学歴の人は入場禁止にする、
●.ニューヨークのナスダック市場に上場する


などを挙げた。

  1句実話さんの提案は明らかに中国の現状を皮肉るものだ。
 例えば入場料250元というのは、
 中国語で250は「バカ、間抜け」という意味があり、
 要するに「アホな腐敗官僚を入れる場所にすべき」
と言いたいようだ。

  この意味を察した微博ユーザーからも
●.「これは十分にあり得るよ」、
●.「つまり釣魚島を取り戻すと、汚職役人の娯楽施設になるということですね」、
●.「明らかに官僚の保養地じゃねぇか」、
●.「苦しい生活を送っている庶民には“250”の入場料すら払えません」
などのコメントが寄せられた。

  また、
●.「だったら日本にあげちまえ」、
●.「取り戻さなくていい」、
●.「もし俺が島民で、日本か中国に投票して選べるのならば、オレは100%日本に投票する」
などのコメントもあり、汚職役人のための施設になるくらいなら、日本にくれたほうがまだマシ、と考えているようだ。

  ほかには
●.「問題は取り戻せない、ということなんじゃないか」、
●.「結局は取り戻せようが取り戻せまいが、庶民と何の関係もないということか」
などの意見や、
●.「おいおい、コメントを見ると売国奴の大集会じゃないか」
というユーザーもいたが、それだけ中国の腐敗や汚職に嫌悪感を抱いている人が多いということだろう。



 徐々に規制が出始めているようです。
 まず、その手始めがこれ。

レコードチャイナ 配信日時:2013年7月18日 7時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74410&type=0

汚職告発サイトが閉鎖、
運営者が行方不明に=ミニブログのアカウントも削除―中国


●16日、中国でこのたび、数々の腐敗を暴いてきたジャーナリストの朱瑞峰氏が行方不明になり、同氏が運営する汚職告発サイトが閉鎖されたことがわかった。写真は朱氏がかつてスキャンダルを暴いた雷政富氏。

 2013年7月16日、中国の汚職告発サイト・人民監督網が閉鎖されたことがネットユーザーによって明らかにされた。
 香港紙・文匯報が伝えた。

 人民監督網は2006年6月にジャーナリストの朱瑞峰(ジュウ・ルイフォン)氏によって設立され、2007年5月に香港特別行政区の批准を受けて人民監督網メディアグループとして登記された。
 以来、「中華人民共和国憲法」の公民監督権条項に基づき、各地の官僚の汚職を暴いてきた。

 作家の草軍書(ツァオ・ジュンシュウ)氏によると、朱氏は15日、福建省南安市の市長が北京のナイトクラブで女性をはべらせて酒を飲み、さらには女性を“お持ち帰り”したことを暴露した。
 すると、すぐに彼の運営するミニブログ(中国語で「微博」)の全アカウントが削除措置になったという。
 文匯報記者の調査によると、人民監督網はすでにアクセス禁止措置となっている。
 朱氏のその後の動向はまだわかっていない。

 この事件について、微博では以下のようなコメントが寄せられている。

●.香港文匯報
 「人民監督網が閉鎖された。
 第2の雷政富(レイ・ジョンフー)たちは安心しただろう。
 朱瑞峰、君は今どこにいるのだ?」
 (※編集部注:雷政富は元重慶市北碚区のトップで、2012年11月、若い女性との性行為を収めた動画が暴露され、失職した。この動画を最初に掲載したのが人民監督網である)

●.作家の草軍書氏 
 「友達リストからまた1人が消えた。
 朱瑞峰、彼のアカウントは削除された。
 彼は反腐敗の告発活動に非常に厳格に取り組み、そのすべてに確かな証拠があった」

●.某香港メディア
 「人民監督網が陥落した?
 朱瑞峰の微博はすべてなくなった。
 どこにいったのだろう?
 無事でありますように!」

●.Zap_212(個人アカウント)
 「朱瑞峰、ずっとあなたの正義の叫びが聞けますように!
 あなたの高く振りかざした反腐敗の刀は、どれだけの汚職にまみれた役人を切り落としてきたことか。
 人民監督網という網を撒き、どれだけの腐敗分子を捕まえたことか。
 あなたの鋭い言葉でどれだけのネズミが夜も眠れなかったことか。
 あなたの英知の目はどれだけの役人の肝をつぶしたことか」

●.djSimon家明微博達人(個人アカウント)
 「人民監督網の記者、朱瑞峰が戦死した。
 反腐敗の戦士、朱瑞峰氏のアカウントは人民を害する悪の勢力を厳しく非難した」

●.yuki3502413224(個人アカウント)
 「もし今回のことで朱瑞峰氏の身に何かが起きたのなら、私たちすべてのネットユーザーは中国政府を、政府内の悪の勢力を軽蔑する。
 私たちが無力だと思うな!
 悪の勢力に世界中のネットを封鎖されない限り、朱瑞峰を応援する!」



レコードチャイナ 配信日時:2013年7月18日 9時53分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74428&type=0

<中華ボイス>
当局の規制?
朝日新聞の「中国版ツイッター」閉鎖、ネットでは抗議の声―中国ネットユーザー

 2013年7月18日、今なお中国ではネットの規制が厳しく、特定のサイトにアクセスできない事態が頻繁に発生している。
 2012年6月には、多くの日本企業が使用している「co.jp」ドメインに一時アクセスできなくなった。
 これに対し一部の人から「当局による規制」だと指摘する声も上がった。

 中国ネットユーザーは17日、「今日午前11時ごろ(現地時間)、朝日新聞の中国版ツイッター『微博』のアカウント『朝日新聞中文網』にアクセスできなくなった。
 新浪や騰訊、捜狐、網易の4大微博のいずれからもアクセスできない。
 どうやら閉鎖されたようだが、原因はまだわかっていない」と伝えた。
 中国のネットでは朝日新聞中文網へのアクセス不能に関して多くの書き込みがみられ、アクセス禁止に抗議する声が多かった。


レコードチャイナ 配信日時:2013年7月18日 16時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=74447&type=0

「親中派メディアさえ!」朝日新聞、中国版ツイッターのアカウント閉鎖に苦言の嵐―中国

●16~17日、“中国版ツイッター”と呼ばれて中国内で絶大な支持を集める短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」で、朝日新聞が開設していたアカウントが閉鎖された。写真は中国版ツイッターの画面。ろうそくのアイコンは「追悼」を意味している。

 2013年7月16~17日、“中国版ツイッター”と呼ばれて中国内で絶大な支持を集める短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」で、朝日新聞が開設していたアカウントが閉鎖された。
 同紙は国内ポータル大手の新浪(Sina)や騰訊(テンセント)などで合計4つの公式アカウントを運営していたが、そのすべてで閲覧や投稿が不可能となっている。
 その理由はまだ不明。

 朝日新聞の公式アカウントは、新浪と騰訊の2社だけでも130万人あまりのフォロワーを抱えていた。
 日本版の記事を単純に中国語に翻訳したものだけでなく、独自の視点で日本をおもしろく紹介するコンテンツも提供しており、多くのファンに親しまれていた。

 朝日新聞公式アカウントの閉鎖が知れわたるにつれ、中国版ツイッター上では反響が大きく拡大中だ。
 多くのファンが、短文投稿サイトで頻繁に「追悼」の意味として使用されるろうそくのアイコンを投稿し、
●.「安らかにお眠りください!」
●.「これはどういうこと?」
●.「早く復活して!」「とてもよいメディアだったのに」
●.「中国版ツイッターをチェックする楽しみがなくなった」
など、これを惜しむ声を寄せた。
●.「親中派媒体として知られていたのに、なぜ?」
●.「安倍首相の改憲意志表明が原因なの?」
などの声も飛んでいる。

同紙のアカウントが中国のユーザーに愛されていた理由は、以下の2つにあると考えられる。

■優れた情報源として
●.「卒論の大事な考証資料にしようと思っていたのに」
●.「日本最新のテクノロジーについて知ることのできる大事な情報源が消えた」

■国内媒体にはない切り口やユーモアが愛されていた
●.「我々を楽しませてくれた朝日君、さようなら」
●.「こんなに親しみやすいメディアでも閉鎖措置になるとは。
 何という世の中になったのか」
●.「ニュース記事でも論評記事でも地に足がついていたうえ、親しみやすさも持ち合わせていた親中派メディア。
 ユーモアをもって正義を伝える手法は、当局には理解されなかったのか」



jiji.com 。(2013/07/18-12:25)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013071800370

朝日新聞の「微博」閉鎖か=4アカウント利用できず-中国

 【北京時事】朝日新聞社は18日、中国版ツイッター「微博」(ウェイボー)の同社の四つのアカウント全てが利用できない状態になっていることを明らかにした。
 当局の規制で閉鎖された可能性があり、同社は「異常な事態」として、運営会社に問い合わせている。
 朝日新聞によると、利用できないのは2011年に中国のポータルサイト「新浪」「騰訊」などに「朝日新聞中文網」として開いたアカウント。
 16日から17日にかけ、発信や閲覧ができなくなった。
 ニュース発信のほか、読者との対話や日本情報の紹介などをし、新浪と騰訊では計約130万人のフォロワーがいるという。
 古山順一朝日新聞社国際本部長の話:
  意図的に閉鎖されたとすれば誠に遺憾。早急に再開されるよう各社に強く求める


朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/19 08:56
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/19/2013071900576.html

中国版ツイッター「微博」、朝日新聞のアカウント削除か

 中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」で人気を集めていた朝日新聞のアカウントが16日から17日にかけ、一斉に削除されたことが分かった。
  18日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが伝えた。

 アカウント削除により、朝日新聞による中国のネットユーザー向けの「つぶやき」は中断に追い込まれた。
 4つのアカウントが同時に削除されており、中国の検閲当局による措置とみられている。
 中国と日本は昨年後半から尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権などをめぐり対立している。
 朝日新聞の微博アカウントで編集者を務めたことがあるというネットユーザーは17日、自分のアカウントに「上からの指示があった」と書き込んだ。
 朝日新聞も同日、自社のアカウントが削除された事実を認めた。

 朝日新聞は2010年に中国語版サイトを開設するなど、中国市場を重視してきた。
 11年には中国の大手ポータルサイト「新浪網」「騰訊網」など4カ所に微博のアカウントを開設し、中国語ニュースなどを掲載してきた。

 朝日新聞の微博アカウントは「朝日君」という愛称で呼ばれるなど、中国のネットユーザーに好評だった。
 アカウントが削除される直前でフォロワーは約130万人に達しており、リツイート回数も平均191回あった。
 昨年起きた「薄熙来事件」など中国で報道が禁止されていたニュースを検閲当局の目を避けながら巧みに伝えたことが人気の秘密だった。




減速する成長、そして増強される軍備


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