『
ロイター 2013年 06月 26日 15:02 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE95P03Z20130626
北京で労働者が米国人経営者を監禁、給与トラブルめぐり
[北京 26日 ロイター] -
給与をめぐる労使トラブルを発端に、北京にある米医療用品メーカーの工場で、労働者が米国人の共同経営者を監禁する事態となっている。
監禁されているのは、この会社の共同経営者チップ・スターンズ氏で、本人によれば21日夜から工場内に監禁されているという。
スターンズ氏は、会社側が全従業員を解雇して工場を閉鎖するのではないかといううわさが流れた直後に監禁された。同氏はうわさを否定したが、工場の労働者数十人は、部署間で解雇条件に差があるとして、十分な退職手当を提示するよう要求している。
スターンズ氏は25日、工場の格子のついた窓越しに内部の状況を説明。
同氏によると工場の門は封鎖され、移動する際は10数人の労働者がぴったりとくっついてくるという。
またスターンズ氏は、当初は社内で問題解決を目指していたものの、もはや事態は自分の手に負えるものではないとし、解決に向けて何ら行動を起こさない地元当局への不満をあらわにした。
一方、地元当局者は、会社側は2カ月にわたり労働者に賃金を支払っておらず、十分な退職手当も提示されないまま工場を閉鎖することを労働者側は恐れたのであろう、と指摘した。
また工場付近に私服警官を配置しており、事態は適切に処理されているとの見方を示した。
© Thomson Reuters 2013 All rights reserved.
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2013年6月25日 19時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73693&type=0
解雇に不満の従業員、米国人社長を軟禁
=北京の米国系製薬企業―中国
2013年6月25日、環球時報(電子版)によると、中国北京市の米国系製薬企業の工場で、解雇に反対した従業員らが4日前から米国人社長を会社敷地内に軟禁していることが分かった。
米AP通信が伝えた。
現場は北京市懐柔区の米国系製薬企業。軟禁されている社長は米メディアの取材に対し、
「捕らえられた動物になった気分だ」
と語った。
同社長によると、同社は北京で操業して10年。
このほど整形外科部門をインドのムンバイに移転することを決め、同部門の従業員30人に解雇を通達した。
しかし、他部門の従業員に
「工場全体がインドに移転する」
と誤って伝わり、多くの従業員が賠償金の支払いを要求し始めたという。
AP通信によると同社長は24日、事務所1階の窓から記者に対し
「このような扱いは非人道的だ。
私はここで仕事を始めて10年、多くの雇用を生んできた。
こんなことが起きるとは思いもしなかった」
と語った。
記事は
「中国の人件費向上に伴い、インドや東南アジアへ移る企業が増えている。
従業員が賠償金を求めるケースも少なくないが、外国人トップまでとばっちりを受けるのは珍しい」
と伝えている。
』
中国では景気後退で今後、「外資の吊し上げ」が多発する可能性が高くなってきている。
となれば、外資の中国逃亡はさらに加速することにもなりかねない。
『
レコードチャイナ 配信日時:2013年6月27日 8時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73704&type=0
大幅な円安、産業回帰を試みる日本企業―中国メディア
●25日、オムロンは来年より、日本にある電子血圧計の生産ラインを再稼働させることを決定した。写真は済南市で開催された第6回国際電力電気工学・オートメーション機器展覧会のオムロンブース。
2013年6月25日、オムロンは来年より、日本にある電子血圧計の生産ラインを再稼働させることを決定した。
中国で生産されていた一部の電子血圧計が、日本生産に戻ることになる。
北京青年報が伝えた。
オムロンは1990年代に、電子血圧計の生産を人件費の安価な中国市場にシフトした。
当時の中国の人件費は、日本の10分の1未満だったという。
しかし中国の人件費などのコストが上昇を続け、この差はすでに4分の1にも満たなくなっている。
オムロンより先に、アップルのパネルサプライヤーのジャパンディスプレイは昨年より、中国蘇州工場の一部の生産能力を日本の茂原工場に戻すことを計画していた。
同計画は今年中に完了する予定だ。
これもまた、中国と日本の製造コストの開きが縮小されていることが原因だ。
ジャパンディスプレイは、日本で自動化生産効率アップなどの手段により、「メイド・イン・ジャパン」も一定のコスト競争力を維持できると表明した。
業界関係者は、このような産業回帰現象が主流になることはないと判断している。
大幅な円安、人民元相場の上昇が生じているが、日本の人件費は中国をはるかに上回るという事実がある。
しかし上述した業界関係者は、
「中国と、ベトナム・タイ・インドネシアなど東南アジア諸国との人件費の間にも、開きが生じている。
そのため日本企業を含む多くの外資系企業が、中国の生産能力をこれらの東南アジア諸国にシフトする大きな流れに注意が必要だ」
と指摘した。
(提供/人民網日本語版・翻訳/ YF・編集/武藤)
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2013年6月28日 0時2分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=73769&type=0
従業員による社長の軟禁、中国では日常茶飯事
=米国人社長が6日ぶりに解放―米紙
2013年6月27日、中国北京市の米国系製薬企業の工場で、従業員の解雇などをめぐり、軟禁されていた米国人社長のチップ・スターンズ氏が6日ぶりに解放された。
環球時報(電子版)によると、25日付の米紙「ワシントン・ポスト」は、
「社長の軟禁は中国では珍しいことではない」
とのタイトルで同事件を伝えた。
社長のスターンズ氏は
「10年間この地で仕事をし、多くの雇用を創出してきた。
このようなことが起ころうとは思ってもいなかった」
と悪夢のような出来事を振り返った。
実際のところ、このような事件は中国では日常茶飯事である。
他に訴える手段がなく、会社幹部のいる時を狙って、従業員がもめ事を起こすこともしばしばだ。
2013年1月に、日系の電子部品メーカーの上海市の工場で、日本人10名を含む18名の経営幹部が軟禁された事件は記憶に新しい。
業界関係者は「同様の事件はかなり以前から起きている。
負債を抱えたまま、経営者が夜逃げ同然で工場を捨てて逃げる事件が起きており、従業員たちは同じ目に遭いたくないのだ。
また、法に頼るよりも、このやり方の方が効果的であることを彼らは知っている。
中国政府は社会の安定を最も重視しており、それが脅かされることを望んでいない。
従業員が事件を起こせば、政府は強制的に、会社側に金銭面での賠償を行うよう求めるはずだ」と指摘した。
近年、労働者の賃金上昇を受け、中国の工場が破産に追い込まれる懸念は絶えず高まっており、高賃金の都市部から内陸部へ、或いはカンボジアやベトナムなどの労働コストが低い国へと工場を移転する動きも出始めている。
中国政府は労働者の権利に関する指導を行っているものの、解雇時に自分が一体どれだけの補償金をもらえるのかがわかない従業員がほとんどである。
結果、具体的な状況を把握する前から、やみくもな行動に出るという事態を招く。
米ミシガン大学の教授は
「根拠のないデマでも、労働者たちは先手を打たなければと考えるのだろう。
経営者が逃げたことで、損をしている労働者は確かに多い」
と指摘している。
』
労働条件の法整備がなされて現状では、労働者はそうせざるを得ないのであろう。
社長軟禁が日常茶飯事だとすると、このことは外資の中国逃亡の理由としては一級品のものになる。
法が確立されない以上中国は「リスク国家」である。
あえて今後、中国へ出ようと考えている外資の足は更に鈍ってしまう。
[減速する成長、そして増強される軍備]
_