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ロイター 2013年 06月 18日 01:16 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE95G00V20130617
中国政府が4大銀の株式買い増し、市場を下支え
[北京 17日 ロイター] -
中国政府が4大国有銀行の株式を買い増したことが、証券取引所への届出で17日明らかになった。
前週の株価急落を受け、市場の信頼感回復を図る狙いがあるとみられる。
届出によると、国有資産管理会社の中央匯金投資は前週13日、中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行の株式を市場で購入した。
ロイターの試算によれば、購入総額は約3億6300万元(5920万ドル)。
今回の買い増しを受け、4行に対する中国政府の出資比率はそれぞれ0.01%上昇し、工商銀行は35.46%、中国銀行は67.74%、建設銀行は57.23%、農業銀行は40.24%となった。
4行はいずれも声明で、中央匯金投資が今後半年間に株式をさらに買い増しするとの見方を示した。
中央匯金投資をめぐっては、13、14両日に
中国広大銀行と新華人寿保険の株式を総額1億元以上購入
したことが既に明らかになっている。
また現地メディアは、中央匯金投資がこれとは別に主に優良株に投資する
3上場投資信託(ETF)の株式52億元相当を購入
したと報じている。
*内容を追加して再送します。
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「中央匯金投資」とは何?
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iFinance
http://www.ifinance.ne.jp/glossary/swf/swf004.html
中国投資有限責任公司
読み方: ちゅうごくとうしゆうげんせきにんこうし
英語名: China Investment Corporate Ltd. (CIC)
分類: 政府系ファンド|政府系投資機関
中国投資有限責任公司は、中国国務院の認可を得て、2007年9月29日に北京で設立された
中華人民共和国の政府系投資機関である。
設立当初の資本金は2,000億ドルで、その役割は
(1).超過外貨準備の運用と
(2).国有金融機関への出資・管理
の2つであると設定されている。
本機関は、会社法に基づき設立された有限会社で、取締役会や監査役会、運営管理委員会などのガバナンス機関が設置されているが、その構成メンバーは政府高官が中心となっている。
中国投資有限責任公司は、超過外貨準備の運用として、政府系ファンド(SWF)を運営し、海外の株式やファンド、債券などに投資し、外貨準備の運用効率を高めることを目指している。
その投資対象は、アセット・アロケーション型の各種金融商品を組み合わせたもの以外に、プライベート・エクイティへの出資、海外金融機関への出資、鉱山・エネルギー資源・不動産などの直接投資など非常に多様となっている。
また、国有金融機関への出資・管理については、
100%子会社の中央匯金投資有限責任公司
を通じて、中国工商銀行や中国建設銀行、中国銀行などの株式を保有している。
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ウォールストリートジャーナル 2013年 6月 21日 09:32 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324438704578558133110087370.html
中国景気減速-政府は刺激策を取らない姿勢貫けるか
By RICHARD SILK IN BEIJING AND SHEN HONG IN SHANGHAI
【北京】
中国の景気減速の兆候が増え、同国金融システムでの緊張が高まる中で、景気刺激策に頼らずに減速を乗り切るとの同国政府の決意が試されている。
20日に発表された速報値によると、同国経済にとって非常に重要な製造業部門は6月に、前月よりも急速に縮小した。
同国では既に、5月の輸出、鉱工業生産、設備投資が全て鈍っていることが明らかになっている。
これらの統計は、中国の成長鈍化の波及への懸念から、20日のアジア各地の金融市場や商品市場に打撃を与えた。
中国は同時に、資金不足の高まりと苦闘しており、銀行間金利が高騰している。
この資金ひっ迫は、同国の成長見通しに懐疑的になっている外国資本の流入が鈍っていることなどによるものだ。
このいずれもが、短期的には成長が鈍化かもしれないが経済改革を進める覚悟を示している同国の新指導部にとっての課題となる。
同国の輸出品への需要の構造的な減退、鉄鋼、セメントといった重要部門の過剰生産能力、過去の刺激策の遺産としての不良債権の増加といった状況の中で、その決意の強さが問われている。
HSBCのエコノミスト、Qu Hongbin氏は
「過去5年ほどは成長の安定化が優先課題だった」
とし、
「減速がみられるといつでも政府は成長が安定的になるような何らかの措置を導入した。
だが、新政権は景気刺激よりも改革を優先することが明らかになった」
と指摘した。
中国の経済成長への懸念は、米連邦準備制度理事会(FRB)が米景気刺激策をやめるかもしれないとの兆候に不安を抱いていた投資家にとっては追い打ちとなった。
20日は上海株式総合指数が前日比2.8%、香港ハンセン指数は2.9%、日経平均は1.7%、それぞれ下落した。
アジアの石油先物も2.2%下落し、中国の動向に敏感な豪ドルの対米ドル為替レートも下げた。
中国で検討されている改革には、金融システムの自由化、市場実勢に近い電気・ガス料金の設定、社会福祉事業の向上および社会的格差への対応などが含まれている。
多くのエコノミストは、国内消費を押し上げ、輸出と過度の投資への依存から脱却するには社会的格差への対処が必要だと見ている。
詳細は今秋の共産党の会議で明らかにされる予定だ。
しかし、経済の行き詰まり状態から、政府は現状の改善という誘惑にかられるだろう。
今年第1四半期(1—3月)の中国の国内総生産(GDP)の伸びは7.7%に鈍化。
多くのエコノミストは第2四半期にはさらに落ちると予想している。
当局は昨年の同様の景気減速に対して、金利引き下げと社会基盤整備計画の前倒しで対応した。
RBSのLouis Kuijs氏は
「この種のデータは政府が現在のマクロ政策スタンスを維持する決意があるかどうかを試すことになる」
と指摘した。
中国国務院(内閣)は19日、「慎重な」金融政策を維持し、システミックリスク(金融システムの混乱)の発生を防ぐことを明言するとともに、金利は市場が決定できるようにするとの目標をあらためて表明した。
また、生産能力が過剰な部門への資金の流れを止めることも約束した。
中国の銀行は5月末以来、突然の資金不足に直面しており、この結果、小銀行は特に融資条件の厳格化を検討している。
同国の中央銀行には、やろうと思えば資金不足を解消するに十分な資金があるが、レバレッジが高まることを懸念して、これを使っていない。
規制の緩やかな「影の金融システム(シャドー・バンキング)」の急成長によって、金融システムの危機への不安が高まっている。
UBSのエコノミストWang Tao氏は
「期待外れの経済指標と低いインフレ率から、市場関係者の多くは中国人民銀行(中銀)は流動性供給を続けると予想していた」
とし
、「しかし、同銀行はこの10日間に、過度に急激な信用の拡大は受け入れられないことを明確にした」
と話した。
20日に発表されたHSBC中国製造業購買担当者景況指数(PMI)の6月の速報値は48.3で、前月の49.2から低下し、過去9カ月間で最低となった。
同指数は50を下回ると景気縮小を示すと言われている。
同指数は中小企業・輸出業者に偏る傾向があり、先に発表された、国営企業部門の比重がより大きい公式PMIはわずかながらプラスを維持した。
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[減速する成長、そして増強される軍備]
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