●7日、参考消息網は記事「海外メディアが注目、習近平主席と安倍首相の“初めての接触”」を掲載した。AP通信は中国側がこれ以上の日中関係悪化を望んではいないというシグナルだと指摘している。資料写真(レコードチャイナ)。
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jiji.com (2013/09/06-19:19)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013090600524
対日改善へ積極アピール=尖閣、安倍首相の軟化迫る
-習主席「戦略的互恵関係」言及
【北京時事】
中国の習近平国家主席が5日、ロシア・サンクトペテルブルクで安倍晋三首相とあいさつした際、
「中日の戦略的互恵関係を推進し続けたい」
と言及したことは、対日関係改善に向けて安倍政権に積極的な姿勢をアピールしたものだ。
習指導部は今後、
「日本側にボールを投げた」とみなし、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を領土問題として認めない安倍氏側の軟化を迫る構えだ。
中国側は、これまで日中首脳会談について「対話の土台がない」(李保東外務次官)と指摘。
中国外交筋によると、中国外務省はあいさつを含めた両首脳の対話に積極的な姿勢を示してこなかった。
それだけに今回の接触は習氏が主導した予想外の展開との見方も出ている。
「戦略的互恵関係」は、第1次内閣時の2006年10月に安倍氏が訪中した際、当時の胡錦濤国家主席と会談した際のキーワード。
習主席が今回、
「釣魚島・歴史など敏感な問題を正確に処理しなければならない」
と述べる一方、自ら
「(中日関係の困難は)見たくないものだ」
として「戦略的互恵関係」に言及したことは対日重視姿勢を示すものだ。
習主席の対日関係改善への「サイン」はこれ以外にもあった。
習氏は8月末、遼寧省大連で日系企業と関係の深いソフトウエア大手・東軟集団を視察した際、遠隔医療システムを利用し、北京の中日友好病院に電話したのだ。
中国政府関係者は
「習指導部は、安定した経済発展のために日中間の経済交流を推し進めたいと考えている」
と解説。
尖閣諸島国有化・反日デモ1年を前に両国関係を安定させたい習指導部の意図も見える。
6日付の共産党機関紙・人民日報も1面に
「習が安倍に中日関係の原則的立場を述べた」
との見出しの記事を掲載。
習主席の発言を今後の対日政策の柱として重視する方針だ。
ただ尖閣問題をめぐり安倍政権に対し、領土問題の存在や棚上げを認めるよう求める方針に変わりはなく、安倍政権の「変化」がない限り、正式な首脳会談に発展する可能性は低い。
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東京のオリンピックが決まったため、全体的に中国の旗色が悪くなってきた。
そこで、すっと手を出してくる中国のしたたかさであろう。
世界が東京を注視することになったいま、中国としてはそこから発信される電文に
中国の依怙地さが強く滲んでしまう
ようなことは少々困るということだろう。
これから中国がどんなシグナルを送ってくるかは誰にでも関心がある。
尖閣問題が発生してから以降、冷静にみてその後の推移はあまり中国に有利に動いてはいない。
国内的には大事に煽ってしまった民族的高揚をどうやって鎮めるかが問題になってくる。
さもないと、それの矛先が一転して中国政府に向ってくるという可能性も大きく、ために開催して当たり前だと思われれる「尖閣問題一周年記念集会」を開けずにいる。
当局としては
「東京オリンピックが決まったいま、日本とイザコザすることは国益に反する」
と言った大義名分を打ち出し、
長くて静かな戦いが現在とり得る最高の外交的選択だということを国民に刷り込む
ことに力を傾注することになるのではなかろうか。
少なくとも東京オリンピック開催決定で「尖閣諸島武力奪回」はなくなった。
これによって
最も安堵しているのは開催国の日本ではなく、
中国共産党と解放軍のニ者
であろう。
このグッドチャンスをどう生かすか、中国当局の腕の見せ所だろう。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年9月8日 11時47分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76508&type=0
海外メディアが注目、習近平主席と安倍首相の“初めての接触”―中国メディア
東京が2020年夏季五輪開催権を獲得、予算は3300億円―中国メディア安倍首相の“初めての接触”」を掲載した。
ロシア・サンクトペテルブルクで開催されたG20サミットで、習近平(シー・ジンピン)国家主席と安倍晋三首相は立ち話形式で言葉を交わした。
昨秋の尖閣国有化問題以来初となる日中首脳の接触となった。
6日付AP通信は今回の接触が日中関係の緊張をただちに終わらせるものとはならないが、
すくなくとも
中国側がこれ以上の悪化を望んではいないというシグナル
だと指摘している。
6日付日本経済新聞は安倍首相が中国語通訳を帯同していなかったため、英語通訳による対話になったことを明かしている。
ただし日本政府側は対話の内容を明かしていない。
中国の新華社によると、習主席は中国側の原則的立場を説明し、日本が歴史を正視し、尖閣問題や歴史問題に正しく対応するよう呼びかけたという。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年9月9日 18時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76562&type=0
中国人は東京五輪の成功を望む―中国紙社説
2013年9月9日、環球時報は「中国人は東京五輪の成功を望む」とする社説を掲載した。
2020年夏季五輪招致レースで東京が最終的に勝利した。6億ドル(約596億円)余りの招致予算が、合計4億ドル(約398億円)足らずだったマドリードとイスタンブールの抵抗を圧倒したのだ。
現在、日中関係は40年余りの歴史で最もひどい状況にあるが、それでもわれわれはここに日本人への祝意を表すとともに、彼らが今後7年間で順調に準備を進め、五輪を成功させることを祈りたい。
五輪招致成功は日本にとって深い政治的意義を持つとの認識でアナリストは一致する。
日本社会の自信を取り戻し、国民の士気を奮い立たせ、第2の経済的飛躍への希望をもたらすことができる。
五輪によって日本社会の心理が真に転換されるのなら、われわれはその成功を望む。
周知のように、日本経済はすでに20年余り低迷を続け、その間に中国が台頭したことで、日本社会は没落感を一層深めた。
日本政治の右傾化は自信喪失の蔓延と深いつながりがある。
日本の対中強硬・挑発姿勢は、その当惑と意気消沈が歪んだ極端な形で表れたものであり、劣勢意識さらには恐れを無意識に隠しごまかすものなのである。
五輪は日本社会に久しくなかった空前の楽観的ムードをもたらしうる。
これは北東アジア全体にとって良いことだ。
21世紀に入り日本は歴史問題、海洋領土問題で北東アジアの四方に敵をつくり、挑発をしている。
五輪は日本にとって自制への圧力となりうるし、日本社会の注意を一部そらすことは確実だ。
今後7年間日本はおそらく少し温和になり、それほど居丈高でなくなるだろう。
だが、次の点を指摘しておかなければならない。
日本の第2次大戦の歴史に対する認識と省察は世界的基準から見て全くなっていない。
日本政府が今後数年間に靖国神社問題で再びごたごた動いた場合、中韓は五輪への国際世論の特殊な関心を利用して、第2次大戦の歴史を扱う際の日本の頑固さと増長ぶりを全世界に見せ、第2次大戦の戦犯に政府が頭を下げる国が、平和を発揚する五輪を開催するのに一体適しているのだろうかと世界中の人々に問うことができるのである。
尖閣問題における日本の過激な姿勢は周辺海域における法執行部隊の対峙を直接的に招き、両国の潜在的な軍事力間の緊張ももたらした。
常識的に考えて、日本は五輪開催まで中国との軍事摩擦を回避し、東シナ海の平和と安定を維持する必要がある。
もし日本の全ての行動が正常な五輪開催国にふさわしいものであるなら、東アジアにとって良いことだ。
われわれは日本が中国と良い競争を行うことを強く望んでいる。
もし日本が「第2の台頭」を果たせれば、東アジア地域の経済全体に新たな活性化をもたらし、国家間の協力を刺激するだけであり、中国への脅威にはならない。
中国からすると、日本の強大化は自然の上限があるため、恐れるに足らない。
ただ、日本が他国の強大化への嫉妬や恐れのために無茶をしでかすことを恐れるのである。
日本での五輪開催は中国人にとって、地理的なメリットもある。
テレビ中継を見るにも時差はほとんどないし、現地に観戦に行くにも都合がいい。
東京が五輪招致に成功したとのニュースを最初に聞いた時、多くの中国人はこうした利点から、東京が他の都市に負けることを望む感情をほぐした。
中国が五輪招致に成功した際、日本の政府と多くの友好組織は祝賀と支持を表明した。
当時、日中関係は現在よりもずっと良かった。
一方、日本右翼組織が中国を妨害し、北京五輪の聖火リレーは日本でもトラブルをこうむった。
東京の招致成功は最も対立した日中関係にでくわしている。
今後数年間、
日本社会は東京五輪成功を支持する中国人の度量の大きさと泰然さを見ることになる
とわれわれは信じている。
日本自身は分別をわきまえ、際限なくいざこざや騒ぎを起こさないようにする必要がある。
そうすれば日本社会は積極的な向上の7年を迎え、東アジアは比較的安定した7年を迎えるだろう。
これは中国人が非常に望んでいることだ。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)
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中国もホットしているのだろう。
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jiji.com (2013/09/09-19:47)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013090900711
日本への祝意表明避ける=五輪東京開催に中国外務省
【北京時事】
中国外務省の洪磊・副報道局長は9日の記者会見で、2020年の東京五輪開催決定について
「国際オリンピック委員会(IOC)の決定を注意深く見ている」
と述べたが、祝意表明を避けた。
日本側に祝意を伝えたのかとの質問にも
「中国オリンピック委員会に聞いてほしい」
との回答を繰り返すにとどまった。
中国外務省が明確な祝意表明をしなかったのは、
首脳会談などの実現を模索する日本側に対し、中国側が一方的に歩み寄っているとの印象を与えるのを避けるため
とみられる。
一方で、洪副局長は
「中国と日本はともにIOCという大家族の一員であり、日本側と五輪開催の経験を分かち合いたい」
と主張した。
洪副局長は
「中国側は中日関係を重視し、(日中平和友好条約など)四つの政治文書を土台に戦略的互恵関係を発展させたいと願っている」
と述べつつ、尖閣諸島の領有権に関し「中国の領土主権の侵害」をやめるよう要求。
歴史問題でも「国際社会の信用」を得られる方法を取るよう求めた。
安倍晋三首相は東京開催決定後、ブエノスアイレスでの記者会見で
「戦略的互恵関係にのっとって大局的観点から中国との対話を進めていく」と述べ、関係改善に意欲を示している。
』
中国としては世界世論が日本を支持しているという状況ではやりきれなさがあるだろう。
口では強いことを言い続けているが、どうにも袋小路に陥ってしまい、なんとか
メンツある脱出
をもがいているという雰囲気がありありと伝わってくる。
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