2013年9月11日水曜日

中国:海外急拡大と国内成長の二兎を追うユニクロ、賞味期限切れ企業の行く先

_


●10日、グローバル大手カジュアルウェアブランドの「ユニクロ」はこのほど、世界最大・最新のフラッグシップショップ、「ユニクロ上海店」が国慶節前日の今月30日にオープンすると発表した。国際金融報が伝えた。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年9月11日 10時46分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76648&type=

ユニクロ・グローバル旗艦店、今月オープン―上海市

 2013年9月10日、グローバル大手カジュアルウェアブランドの「ユニクロ」はこのほど、世界最大・最新のフラッグシップショップ、「ユニクロ上海店」が国慶節前日の今月30日にオープンすると発表した。
 国際金融報が伝えた。

上海市の人気ショッピングエリア、淮海中路のデパート「二百永新」跡地を活用し、売り場面積8000平方メートル以上。
 「ユニクロ」のほか、ファーストリテイリング(山口県山口市)傘下の4大ブランド、「ジーユー」「コントワー・デ・コトニエ」「プリンセス タム・タム」「プラステ」が中国市場に初参入する。

 「ユニクロ」は現在、中国50都市以上で200店以上を展開している。
 ファーストリテイリングは今後も「ユニクロ」ブランドを中国市場に根ざすべく、出店ペースを加速、年間80-100店を開店する計画。

(提供/人民網日本語版・翻訳/HT・編集/武藤)



東洋経済 2013年10月12日
http://toyokeizai.net/articles/-/21481

海外急拡大と国内成長、二兎を追うユニクロ
65歳までの社長引退を撤回、海外拡大にアクセルを踏み込む

 「残念ながら社長を継続しないといけない。
 今はグローバル化を進めている真っ最中で、現実に執行をやめるのは不可能だ」

 柳井正ファーストリテイリング会長兼社長は以前から、65歳になる14年2月までに社長を退くと公言していた。
 が、10日の決算説明会の場でこれを撤回。
 一転、続投を表明した。

 「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、13年8月期に国内衣料品企業として初めて売上高1兆円を突破。
 9月にはユニクロとして世界最大の旗艦店を上海に開業した。
 海外店の収益貢献が本格化し、グローバル展開を加速している。

■上海現地で見たユニクロ人気

 柳井社長は決算会見で、
 「できれば2年後、少なくとも3年後までには国内と海外の店舗数を逆転させたい
13年8月末、国内店834、海外店446)
と、海外へ積極的に経営資源を振り向ける方針を改めて明確にした。

 今14年8月期は中国や東南アジア、米国への出店を加速。
 前期の154店を大幅に上回る198の店舗純増を予定し、海外店は644店まで増える見通し。
 13年6月に初進出したインドネシアに続き、14年春にはドイツ、オーストラリアにも初出店する。
 また、現地メディアの報道によれば、近くインドへの進出も控えている。

「歓迎光臨、優衣庫上海店!(ユニクロ上海店へようこそ!)」

 9月30日、グループで世界最大の店舗となるユニクロ上海店の開店には約2000人が詰め掛け、あまりの人の多さに10時の予定を前倒ししてオープンしたほどだった。

 地下1階、地上5階建てのユニクロ上海店は上海市で目抜き通りとして有名な淮海路に位置し、売り場面積が約8000㎡。
 これまで最大だったユニクロ銀座店(約5000㎡)の1.6倍もある。
 巨大な売場には、低価格ブランドの「ジーユー」や過去に買収した3ブランドも集積しており、グループブランドの世界への発信拠点と位置づけている。

 当日は秋冬の目玉商品であるシルクのブラウスや機能性肌着などを買い込む客であふれかえった。
 「ユニクロの服はとにかく品質が良い。家族みんなで着ている」(21歳・大学生)。
 複数の客に話を聞いてみたが、昨年9月に起きた反日デモの影響は微塵も感じさせない。
 開店当日の店内は人であふれかえった

 「日本の高品質、サービスにおけるおもてなしは、中国の消費者も渇望している」(潘寧・ユニクロ中国CEO)。
 海外ユニクロ事業は13年8月期に売上高2511億円(前年同期比64%増)、営業利益183億円(同66.8%増)と大幅に拡大した。

 海外店の約半数は中国にあり、進出から11年で“高品質ブランド”のイメージ確立に成功した今、中国市場は収穫期を迎えている。

■国内ユニクロは3期連続減益

 一方、国内ユニクロ事業は業績が冴えない。
 機能性肌着「ヒートテック」が大ヒットした10年8月期以降、目立ったヒット商品にも恵まれず2期連続で既存店売上高は前年を下回った。

 12年秋からは集客の起爆剤として、毎週、金土日月の「4日間連続セール」を開始。
 狙い通り既存店売上高は回復したものの、値引き販売の影響で採算が悪化。
 国内ユニクロ事業は13年8月期に前期比5.4%の減益となり、3期連続の営業減益となっている。

 海外は上り調子。
 カギを握るのは国内ユニクロの動向だ。

 グループ全体では海外ユニクロやジーユーの成長が牽引し、増収増益となったが、国内ユニクロ事業が足を引っ張り、13年8月期は期中に上方修正した業績見通しには届かなかった。

 今14年8月期の店舗計画を見ても、国内店舗の純増数は直営店で年間10店程度。
 店舗数はあまり増えず、スクラップ&ビルドによる店舗の大型化が中心になる。

 成長の軸足が海外に移る中、課題は収益基盤である国内事業の安定化だ。
 前期のような価格訴求は控え、今秋冬から重点展開しているシルクやカシミヤをはじめとした素材や機能性を重点的に打ち出すことで、「今期は増益にしたい」と柳井社長は意気込む。

 だが、来年4月には消費増税も控え、国内の消費環境が悪化することも懸念される。
 ユニクロが目指す「海外の急拡大」と「国内の安定成長」の二兎を追うのは容易ではない



ニュースファイアー 更新日:2013年10月11日
http://newsphere.jp/business/20131011-5/

「欧州店舗はほぼ破綻」 海外紙が指摘する、
ユニクロ世界一への課題とは? 

 「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングが10日、2013年8月期の連結売上高が、前年比23%増の1兆1430億円となり、最終利益が903億円と26%伸びたことを発表した。
 営業利益も過去最高の132億円であった。
 最終利益の見通しは920億円だが、これは近年の急成長の中では低い伸び率であることをウォールストリート・ジャーナル紙は伝えている。

 同日の会見で、柳井正会長兼社長(64)は、グローバル展開を加速する中、公言していた「65歳での社長引退」を撤回すると表明した。

【売上高に反して落ち込んだ国内での売上高?】

 ウォールストリート・ジャーナル紙は、急速な海外展開を行っている同社だが、
 売り上げの大部分は飽和状態かつ高齢化した日本市場におけるものだと報じた

 さらに、同社は週末限定割引の延長や、広告、店内の在庫の充実化を図っていたものの、利益率の高い商品は顧客に避けられたと指摘した。
 そのため、下半期の売上・客足ともに2桁の成長率を見せたものの、客単価は5.5%落ち込んだという。
 記者会見で柳井氏は、顧客により高額な商品を買ってもらえるよう努めている、と述べていた。

【アジア市場拡大による今後の展開は?】

 フィナンシャル・タイムズ紙は、アメリカの店舗が営業損失から抜け出せず、ヨーロッパ(英、仏、露)の店舗はほぼ破綻していることを指摘。

 一方、102店舗のオープンもあって、中国、香港、台湾では売上・営業利益ともに急増している。
 売上は1250億円で、ユニクロの海外店舗での約半分近くを占めており、営業利益は135億円で海外事業の74%近くを占めているという。

 また同紙は、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンを含む東南アジアでの事業も好調で、期待できると伝えている。


的確にいうと日本人にとって
 「ユニクロ」は既に賞味期限切れの企業
なのかもしれない。
 日本の高齢者層がメインの顧客であり、若者はすでに離れているという。
 ちょうど、アメリカの「ターゲット」あるいは「Kマート」に近くなっているようだ。
 また、欧州でのユニクロはほぼ破綻状態だという。
 残るは、アジアになる。
 「賞味期限切れの企業はアジアへいく」とはそれなりの真実である。
 中国は今、巨大な消費市場になりつつあり、
 「モノに憑かれた大衆」の海原のようである。
 ユニクロにはフィットしやすいかもしれない。
 ただ、ヤオハンの例もある。
 中国は難しい。


減速する成長、そして増強される軍備



__


日中開戦論議:日本と戦争しても勝てない…いや勝てる…「わが国に内乱おきる」

_


サーチナニュース 2013/08/29(木) 18:07
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0829&f=national_0829_060.shtml

【中国BBS】ネット上で盛り上がる日中の開戦をめぐる議論

  中国大手検索サイト百度の掲示板に
 「大量破壊兵器を使わず他国が介入しないと仮定した場合、日中の戦争はどうなる?
というスレッドが立てられた。
 スレ主の疑問に対して中国人ネットユーザーからさまざまな意見が寄せられた。

  スレ主は、戦争が勃発した場合、大量破壊兵器を使用せず他国が介入しなければ、
 1年前後で中国は25万人、日本は15万人の死傷者が出るのではないかと予測した。

  スレ主の予測の根拠は不明だが、ほかのユーザーからは
●.「制空権を取るのに48時間、制海権は制空権を取ったうえで72時間必要、陸戦部隊が上陸するのに2週間、
 1カ月で戦闘が終了し、中国は5000人、日本は8000人の死傷者が出るだろう」
 という具体的な予測をするユーザーがいたがこちらも論理的にみえるが、何を根拠にしているか分からない。

  また、
●.「日本人は国民総出で一億玉砕だから、われわれの損失も大きくなる」、
●.「われわれが勝っても悲惨なことになるだろう。中国経済の中心は沿岸部で、GDPの90%が沿岸部に集中している。ミサイルをいくつか撃たれるだけでわが経済は終わりだ」
など、中国側の損失のほうが大きいとの予測もあった。

  しかし、
●.「沿岸部から中距離ミサイルを撃てば、中国は死傷者なしで日本に勝てる」
との楽観的な見方や、
●.「1日で1000人の死傷者が出て、激しくならないうちに調停」、
●.「日中か開戦したら、答えは1つ。米国がすぐに調停に乗り出すだけ」
などの主張もあった。

  中国のネット上では日中開戦は間近との論調が多く、このような予測をしたスレッドも非常に多く存在する。
 これは中国メディアが“日本の右傾化”を煽って報道する傾向が強いためであり、
中国のネットユーザーの多くが“日本と中国はまもなく開戦する”と信じているようだ。

  一方、日本では日中が開戦するとは誰も真剣に検討すらしていないというのが現実ではないか。
 “反日教育は中国の内政問題から目をそらさせるためのスケープゴートである”
との見方もあるが、開戦論で盛り上がっている中国人ネットユーザーを見ると、どうやら
 “目をそらさせる”戦略は成功している
ようだ。



サーチナニュース 2013/08/28(水) 10:04
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0828&f=national_0828_015.shtml

【中国BBS】わが国は日本と戦争しても勝てない…「いや勝てる」

  中国大手検索サイト百度の掲示板に
 「現状では中国は日本と戦争しても勝てない
というスレッドが立てられた。
 スレ主の主張に対して中国人ネットユーザーからさまざまなな意見が寄せられた。

  スレ主は、
●.「現段階でわが国が日本と開戦しても、わが空母・遼寧は3隻の軽空母と対戦しなければならず、わが海軍の遠洋航海能力が弱いため、日本に迂回作戦をとられれば対応できない」
と指摘。
 各ミサイルもイージス艦に撃墜されてしまう可能性が高いため、日本に勝つには、戦闘機“殲-20”や“056型軽型護衛艦”が配備されるまで待つべきだと主張した。

  ほかのネットユーザーからも、
●.「オレもそう思う。わが海軍の実力は子犬ほども強くない」、
●.「わが国が日本を負かすのは少なくとも5年以内は不可能だ。もちろん海軍に限った話だが、日本の海軍は強い」
など、スレ主に同意する意見が寄せられたが、比較的少数だった。

  多くのユーザーは中国の軍事力に自信があるようで、
●.「自衛隊の実力を甘く見ることはできないが、わが国の軍事力を貶めるべきではない」、
●.「F-35がまだ配備されていないのに、ヘリコプターで殲-15に対抗するのか?」、
●.「われわれの弾道ミサイルで完全に戦争をコントロールできるはず」
などのコメントがあった。

  また、
●.空母だけを考えるべきではない。われわれの駆逐艦や原子力潜水艦、弾道ミサイルや戦闘機を考えてみろ。日本には勝てるさ」、
●.「潜水艦を発展させれば、日本の海上生命線を断つことができる」
という主張もあったほか、
●.「大群をこっそり島に上陸させればすべて解決する」
という意見や、
●.「日本とは局地戦にしかならないから、空母を使うには及ばない」
という意見もあった。

  全体的にはスレ主に反対の意見が多く、
 多くの中国人ネットユーザーは自国の軍事力に対する信頼と自信
を示すコメントを寄せていた。

  中国網日本語版(チャイナネット)によれば、中国は現在、新型の大型水上艦艇および第3世代原子力潜水艦の建造を進めているとされ、複数の空母艦隊の創設を目指しているという。

  報道によれば、中国海軍の規模は将来的に米軍に次ぐものとなり、
 その主力艦艇の質と数が海上自衛隊を超えるのは時間の問題だと分析されている。



サーチナニュース  2013/08/22(木) 08:14
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0822&f=national_0822_008.shtml

【中国BBS】中国は日本と戦争できるか…「わが国に内乱おきる」

  中国大手検索サイト百度の掲示板に
 「わが国は今、日本と戦争できるのか?
というスレッドが立てられ、中国人ネットユーザーが議論を交わした。

  スレ主は尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐって悪化した日中関係を前提とし、中国は日本と戦争することができるだろうかと質問したところ、ほかのネットユーザーからは
●.「「日本には原子力潜水艦もないし、空軍は数でも質でもわが国に及ばない。
 しかも強烈な民意もないのに戦争などできるか?」
と日本こそ戦争できる状態にないとの意見が最初に寄せられた。

  しかし、同意見には反論も多く
●.「日本には米国がいるからなぁ」、
●.「中国の原子力潜水艦なんてメンツプロジェクトなだけで使えない。
 日本のF15やF16はやや古いものの、殲-7よりずっと強い」
と日本の軍事力は侮れないとのコメントが寄せられた。

  また、
●.「開戦になったら同胞の半分は死ぬだろう」、
●.「戦争が始まる前から中国国内の内乱を鎮める必要がある。
 その後でも戦闘力は残っているだろうか」、
●.「先に国内安定すべき」
など、中国こそ戦争どころではないとの意見も少なくなかった。

  本当に戦争になった場合、
●.「広東省が最初に独立すると思うな」
という予測もあり、いずれにしても中国国内が混乱し、内乱や省の独立が起きるであろうと考えている人は多いようだ。

  ほかには
●.「「中国の人民解放軍は自国民としか戦わないよ」
と国民党との内戦や天安門事件を暗に示唆するコメントや、
●.「本当に戦争になったら、どちらが確かな戦略と戦術を打ち出せるかによる」
との意見もあった。

  日本と中国が交戦することは現実的に考えれば可能性は極めて低いが、尖閣諸島海域で発生した中国漁船による衝突事故やレーダー照射事件など、突発的な事故・事件が交戦を招く可能性は否定できない。


 日中開戦の議論をまとめてみたが、おそらく意見を開陳した人たちは中国では知的階級に属する人たちで、反日デモが発生すればそのリーダーを担う人たちではないだろうか。
 彼らがデモの先頭に立つと仮定すると、
 「1周年記念デモ」はどんな展開を見せることになるだろう。


減速する成長、そして増強される軍備


_ 

米国より成果が大きかった中国の財政刺激策:どちらも、失われた機会を象徴



●破産申請した米デトロイト市〔AFPBB News〕
デトロイト市が財政破綻、米自治体では過去最大


JB Press  2013.09.09(月) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38648

米国より成果が大きかった中国の財政刺激策
(2013年9月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 今や正式に破綻都市となったデトロイトでは、州間幹線道路の1つを空港までの短い区間で拡幅する以外、建設工事が行われている形跡はあまり見当たらない。

 実際、不振に喘ぐこの都市には概して、そのプロジェクト以外、2008年の金融崩壊を受けて成立した7890億ドル規模の米国再生・再投資法の成果を示せるものがない。

 デトロイトは5億ドルを超える資金を受け取ったが、輸送機関や建設に使われたのは、そのわずか「20%」だった。

 だが、これはデトロイトだけの話ではない。
 もしかしたらワシントンは例外だが、この法律から持続的な利益を得ている米国の都市は事実上1つもない。
 「資金の大半は、投資ではなく消費に向かった」と米連邦準備理事会(FRB)のある高官は言う。
 特にインフラに関しては、この資金に見合った成果を示すものはほとんどない。

 対照的に地球の反対側では、中国の中央政府が2008年11月に打ち出した財政刺激策は、使われた資金に見合った成果が多々ある。
 刺激策の規模は正式には4兆元だが、実際にはむしろ1兆1000元に近い(この数字には、その大半がやはりインフラの財源として使われた7兆元の地方政府支出は含まれていない)。

 むしろ一部のエコノミストは、中国は支出の成果として手に入れたインフラが多すぎると言う。
 まだ姿を表わさない乗客を待つ鉄道路線や、まだ入居者がいないマンションなどが多すぎるというのだ。

■米中の景気刺激策、既存の不均衡を強める結果に

 経済規模で世界第1位と第2位の座を誇る米中両国の財政政策は、鏡に映したように対称的だ。
 ある意味で、両国の景気刺激策は、既存の経済的不均衡を――反対方向にだが――強めてしまった。
 そしてどちらも、失われた機会を象徴している。

 米国の計画では、インフラのための資金不足に加え、政府が支援する所得移転が今では予算削減や増税に道を譲っているために、再生・再投資法は景気回復のための持続的な触媒役を果たしていない。 
 乗数効果はなかった。

 一方、中国では、政府の計画は同じことの繰り返しと見られてきた。
 国有企業に対する過去の過剰投資に逆戻りし、さらなる過剰生産能力が、投資の代わりにサービスや内需の方向にシフトする必要のある経済モデルを強化してしまう事態だ。


●企業の人員削減や賃金抑制が刺激策の効果を相殺してしまった〔AFPBB News〕

 米国の財政刺激策のほとんどは、州政府と地方政府への移転支出、減税、失業給付の延長、食料配給券のような貧困者対策に向かった。

 だが、所得支援を提供するこうした政府の取り組みは、労働者を解雇し、賃金を抑えることで利益率と収益を確保する企業の対策に圧倒されてしまった。
 支援金を民間部門からの雇用の提供と結び付ける方が良かった。

 「財政刺激策は、一時的な措置である速やかな所得支援と所得移転を、
 インフラのような動きの遅い対策と混ぜ合わせるように設計されていた」。
 JPモルガンのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏(ニューヨーク在勤)はこう言う。

 「だが、この措置は、必要なものに比べると全く不十分だった。
 ただ、インフラであれば、時間とともにその恩恵が利益を生み続けていただろう。
 恩恵が薄れることはなかったはずだ

■経済において政府が果たす重要な役割

 デトロイトには今、この街をより明るい未来に向かわせる助けとなる明確な触媒役がない。
 民間部門も官民パートナーシップも、大きな希望を与えてくれない。
 ここから得られる1つの教訓は、
 政府は今でも経済において、特にインフラや新たな取り組みのための元手資金を提供する上で、不可欠な役割を果たしている
ということだ。

 デトロイトとシカゴ、トロントとを結ぶ高速鉄道があれば、不振に喘ぐこの都市ははるかに良い状態になるだろう。

 一方、カナダは、自動車のサプラインチャーンを機能させ続けるために、隣接するウィンザーからデトロイトへの新しい橋を建設するための資金を提供している。
 自動車はオールドエコノミーだと考えられているかもしれないが、そのサプライチェーンの40%はこのつながりに依存している。

 さらに、自動車の電子頭脳は完全にニューエコノミーだ
 クリーンエネルギー構想に対する政府の資金供与を含め、デトロイトが他人の資金を使って育てられるシーズはいくつかある。

  一方、大方のアナリストは、中国はインフラ重視の姿勢をもう少し弱めるべきだったと考えている。
 巨大な高速輸送路線や地下鉄路線を減らし、もっと消費を拡大させるべきだったという。

■少なくとも中国の道路や鉄道は米国よりずっと先進的


●地下鉄の切符代はコストを反映していないかもしれないが・・・(写真は地下鉄のホーム)〔AFPBB News〕

 だが、その見方は部分的にしか正しくない。
 北京の地下鉄利用者が首都の中心部から50キロ離れた頤和園に2元で行くことができれば、切符代は地下鉄のコストを反映していないかもしれないが、ここには社会財も関係している。

 「汚染、交通渋滞、食品の安全性、質の高い医療の不足は、どれも投資拡大を求めている」
とモルガン・スタンレーのアジア経済調査部門共同責任者ヘレン・チャオ氏は言う。

 どちらの国も思考をもっと大胆にする必要があるが、
 中国は少なくとも――米国のものよりもはるかに一流先進国らしい道路や鉄道の上を――正しい方向に進んでいるという期待がある。

By Henny Sender
© The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.



減速する成長、そして増強される軍備


_

2012年中国の対外直接投資額は過去最高:国際協調融資のシェア、日本がトップ



●9日、中国政府は2012年の対外直接投資が過去最高を記録し、世界トップ3に入ったと発表した。写真は香港。


レコードチャイナ 配信日時:2013年9月11日 11時28分
 http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76626&type=0

中国の2012年対外直接投資額は過去最高、8兆8000億円超
=世界トップ3に―仏メディア

 2013年9月9日、中国政府は2012年の対外直接投資が過去最高を記録し、世界トップ3に入ったと発表した。
 仏AFP通信の報道をもとに10日付で環球時報が伝えた。

 中国の関連部門が発表した官報によれば、2012年の海外直接投資は2011年に比べて17.6%増加し、878億ドル(約8兆8045億円)に達した。
 世界全体で見ると対外直接投資は17%減少しており、
 これが中国の対外投資が世界のトップ3に名を連ねた一因だと官報は分析する。

 中国経済が急速に発展する中で、中国政府は国内企業に海外へ目を向けるよう奨励したため、対外投資規模は絶えず拡大した。
 政府はすでに対外直接投資の伸び率を年平均17%、2015年までに1500億ドル(約15兆420億円)にするとの目標を設定している。
 中国の対外直接投資の累計額はまだ世界13位に留まっているが、これは中国の対外投資の歴史が浅いことに起因している。
 米国の累計額は中国の10倍、英国は中国の3倍強である。

 中国の対外直接投資は国民経済のあらゆる業種・類別をカバーしているが、一部の業種に比較的集中している傾向がある。
 2012年の中国の主な対外投資先は香港だった。
 2012年末時点で中国における外国企業の従業員は149万人に達し、そのおよそ半分は外国人だった。



レコードチャイナ 配信日時:2013年9月12日 10時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76649&type=0

<数字で見る中国>
2012年の対外投資、米日に続き世界3位
=対米国投資は2.2倍に―商務部

 2013年9月10日、中国商務部、国家統計局、国家外貨管理局は合同で「2012年度中国対外直接投資統計公報」を発表した。
 それによると、2012年中国の対外直接投資額は878億ドル(約8兆7786億円)で過去最高を記録し、前年比17.6%増加した。
 これにより初めて世界3大対外投資国の1つとなり、米国と日本の後に続いた。
 京華時報が伝えた。

 中国の対外直接投資累計額は2012年末で5319億4000万ドル(約53兆1858億円)に達したが、順位で見ると世界13位で、先進諸国に比べるとまだ一定の差が存在している。
 公報によると、中国は世界の8割の国と地域に投資を行っている。
 中国の投資先TOP20の国と地域の累計額は4750億9300万ドル(約47兆5020億円)に達し、総量の89.3%を占めている。
 昨年中国は米国に対し40億4800万ドル(約4047億円)の投資を行い、前年の2.2倍に達した。



レコードチャイナ 配信日時:2013年9月18日 8時48分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76911&type=0

1-8月の対外直接投資、対米が260%増、対日は25%減―中国商務部


●17日、中国商務部(商務省)は記者会見を開いた。沈丹陽(シェン・ダンヤン)報道官は、対外直接投資の状況について報告した。資料写真。

 2013年9月17日、中国商務部(商務省)は記者会見を開いた。沈丹陽(シェン・ダンヤン)報道官は、対外直接投資の状況について報告した際に、
 「2013年1-8月、中国国内の投資家は世界156の国と地域の3583社の海外・域外企業に対して直接投資を実施し、非金融類直接投資額(以下同じ)が前年同期比18.5%増の565億ドル(約5兆6000億円)に達した」
と述べた。
 人民網が伝えた。

 中国本土は1-8月、香港・ASEAN・EU・オーストラリア・米国・ロシア・日本の7つの主要経済体に対する投資額が391億1000万ドル(約3兆9000億円)に達し、同期の中国対外直接投資総額の69.2%(前年同期比3%上昇)を占めた。
 香港と日本に対する投資がそれぞれ11.4%・25%減少したことを除き、米国・EU・オーストラリア・ロシア・ASEANに対する投資はそれぞれ260.3%・109.3%・85.1%・36.4%・24.2%の高度成長を実現した。

 中国地方企業の1-8月の対外直接投資額は前年同期比21.6%増の186億9000万ドル(約1兆8500億円)に達し、同期の対外直接投資総額の33.1%を占め、全国の増加率を3.1ポイント上回った。
 そのうち広東省、山東省、江蘇省が1-3位を占めた。

 約9割の投資がビジネスサービス業、採鉱業、卸売・小売業、建築業、製造業の5大業界に向けられた。
 製造業に向けられた投資は今年以来、初めてプラス成長(2.1%)を実現し、ビジネスサービス業向けの投資は前年同期比で3割減となり、その他の業界への投資は大幅な増加を見せた。
 そのうち建築業、科学研究・技術サービス業、採鉱業への投資は、数倍のペースで増加した。
 建築業への投資額は前年同期比457.4%増の37億9000万ドル(約3800億円)、
 科学研究・技術サービス業は145.9%増の9億1000万ドル(約900億円)、
 採鉱業は122.1%増の155億7000万ドル(約1兆5000億円)
に達した。

(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)


『 
レコードチャイナ 配信日時:2013年9月17日 15時38分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76869&type=0

 国際協調融資の世界シェア、日本がトップに=「90年代の輝き取り戻す」―英メディア


●15日、ロイター通信によると、日本の銀行が国際協調融資の世界シェアでトップとなった。資料写真。

 2013年9月15日、ロイター通信は、日本の銀行が国際協調融資の世界シェアでトップとなり、90年代の輝きを取り戻しているとした。
 17日付で環球網が伝えた。

 国際決済銀行(BIS)は、2013年3月の時点で日本の銀行の国際協調融資額が、世界シェアで13%を占めたと発表した。
 2007年には8%に過ぎなかったが、新興国やカリブ海の国々、米国への融資により、米国(12%)やドイツ(11%)を上回り、トップとなった。英
 国とフランスは約10%となっている。

 日本の銀行の国際協調融資は、80年代末に世界シェア39%を占めていたが、90年代末には金融危機の影響を受けて急速に縮小した。
 国際決済銀行によると、2013年第一四半期に、中国、ブラジル、ロシアが国際協調融資額を急速に増加させている。


減速する成長、そして増強される軍備


_

国有化1周年、尖閣問題の本質は「台湾問題」:中国を刺激し続ける必要

_


WEDGE Infinity 2013年09月11日(Wed)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3151?page=1

国有化1周年
尖閣問題の本質は「台湾問題」
日本は国際社会により丁寧な発信を

 昨年9月11日に、日本政府が尖閣諸島を「国有化」してから1年が過ぎた。
 その間日中交流は停滞し、尖閣諸島の周辺海域では双方の法執行機関の船がにらみ合う緊張状態が続いた。中国海軍による火器管制レーダー照射や、領空侵犯事例も発生した。
 1周年を前に、中国側は新設された国家海警局の7隻の監視船を領海に侵入させるだけでなく、爆撃機や無人偵察機を使った空における示威行為も繰り返している。
 サンクトペテルブルクで開かれたG20首脳会議で、安倍晋三首相と習近平国家主席が初めて挨拶を交わしたが、日中関係がこれによって急速に改善するというのは早計であろう。

 尖閣諸島をめぐる日中の主張は真っ向から対立しており、これが簡単に解決することはあり得ない。
 日本政府としては、不測の事態が武力衝突につながることがないよう現状を管理しつつ、中国との対話を重ね、一方で日本の立場の正当性を国際社会に理解してもらう努力を続けなければならない。

 そのためには、まず尖閣問題の本質をしっかりと見極める必要がある。
 その上で、適切な政策を立てていくのだ。

■中国より早かった台湾の主張

 尖閣問題は日中間の資源をめぐる対立だと考えられがちだが、本質的には台湾問題である。
 台湾政府が尖閣諸島の領有権を初めて公式に宣言したのは1971年の6月で、
 その年の12月に主張を始めた中国政府より半年早い。

 台湾が主張を始めた理由は資源である。
 台湾は特に漁業資源に強い関心があり、米軍統治下の尖閣周辺でも不法操業を行っていた。
 加えて、1968年に国連極東経済委員会が石油資源埋蔵の可能性を指摘した後、1958年に調印された大陸棚の批准をし、アメリカの企業と試掘の契約を結ぶなど、海底資源にも深い関心を持っていた。

 台湾側の主張は、尖閣諸島は元々台湾の一部であり、日清戦争を終結させた1905年の下関条約で台湾と一緒に日本に割譲されたとしている。
 このため、1943年のカイロ宣言、1945年のポツダム宣言、1952年のサンフランシスコ講和条約と日華平和条約に基づき、日本は台湾及び澎湖諸島を放棄したのだから、尖閣諸島も一緒に返還すべきだ、というのが台湾の主張のポイントである。

 しかし、公開された台湾側の外交文書や『蒋介石日記』の記述からは、これとは反対の事実が浮き上がってくる。
 台湾側の史料によれば、台湾が当初尖閣諸島を琉球の一部と明確に認識していたことが確認できるのだ。

■当初台湾は尖閣諸島を琉球の一部と認識していたが…

 たとえば、1948年に中華民国政府内部では、地理的近接性から八重山または尖閣諸島を台湾の一部にするべきかが検討されていた。
 歴史的に尖閣諸島が台湾の一部であるというのなら、このような検討をする必要はない。
 また、外交文書では「尖閣諸島」と日本名が記述され、「釣魚台」という中国名称は使われていない。

 1968年4月には、尖閣諸島周辺での台湾漁民による不法漁業、鳥の卵の採集、廃船の処理に関して米国から照会を受けると、台湾政府は「不肖漁民」の管理の強化を約束している。
 一方、同年8月に台湾漁民の不法漁業に関する日本側の懸念を米側が伝達してきたことに対しては、米国の琉球に対する管轄権は日本ではなく連合国の委託であり、日本側に意見を述べる権利はない旨を回答している。
 ここでも、尖閣諸島が琉球の一部と認識されていることがわかる。

 1969年11月に日米が沖縄返還で合意すると、蒋介石総統は琉球返還は侮辱であるとし、琉球の帰属に対する権利を留保すると日記に書き残している。
 1970年8月には、「尖閣」領有の根拠は琉球の主権を放棄していないことと書かれている。
 翌9月には、アメリカが琉球を日本に返還するなら「釣魚台」を琉球の一部とはできないと書かれており、尖閣諸島を台湾の一部とする虚構がここで作られていったことがわかる。

 つまり、当初台湾は尖閣諸島を琉球の一部と認識していたが、日米間の沖縄返還交渉を問題視し、尖閣諸島周辺の漁業・石油資源を確保するために同諸島を台湾の付属島嶼という主張に変更したことが史料的に裏づけられている。
 このため、下関条約で日本に割譲された台湾の付属島嶼に尖閣諸島が含まれていた、とする台湾側の主張には根拠がないのだ。

■中国が主張する「棚上げ」の真意

 一方、1970年代初めの中国は漁業技術も海底開発の技術も欠如していたため、尖閣諸島周辺の資源に強い関心はなかった。
 しかし、台湾が尖閣を台湾の一部とする主張を始めたため、中国も同様の主張をせざるを得なかったと考えられる。
 それが、71年12月の領有権の主権につながったのだ。

 中国も台湾とほぼ同じ主張をしている。
 つまり、尖閣は歴史的に台湾の一部だという主張だ。
 中台の主張で決定的に違うのは、
 台湾はサンフランシスコ講和条約を受け入れているが、中国は受け入れていないという点である。
 この違いは米軍による沖縄統治の正当性を認めるかどうかにつながる。

 ただし、中国政府は尖閣そのものに強い関心はなかったため、「棚上げ」にこだわった。中国が「棚上げ合意」の根拠の1つとするのが、1972年に周恩来首相が田中角栄首相に語った内容である。
 尖閣諸島問題については、
 「今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。
 石油が出るから、これが問題になった。
 石油が出なければ、台湾も米国も問題にしない」
と言ったのは、台湾が尖閣の領有権を主張し、アメリカの企業に石油試掘権を与えたから問題になった、という意味であろう。
 中国にとって、尖閣問題よりも日中の国交を正常化させる方がよっぽど重要な課題だったのだ。
 だからこそ、これを「棚上げ合意」の根拠として一方的に主張していると考えられる。

 もっとも、近年、中国にとっても海洋資源が重要となった。
 中国は東シナ海のエネルギー資源の埋蔵量を過大に見積もっている。
 日本側の調査ではせいぜい30億バレルほどだが、中国のエネルギー産業は1000億バレルとしている。
 この見積もりの差が問題をより複雑にしている。
 2008年の東シナ海における日中資源共同開発合意も、中国国内の強硬派の反発で事実上履行が不可能となった。
 漁業資源も重要である。
 中国の漁業技術は70年代とは比較にならないほど発達した。
 漁業資源は、中国13億人の重要なタンパク源となっている。

■中国が尖閣の領有をあきらめることはない

 それでも、中国にとって尖閣問題の本質は台湾問題である。
 中国は80年代に台湾有事への介入を積極的に阻止する戦略を取り、海軍は近海防衛を目指すようになった。
 東シナ海と南シナ海の支配は、介入阻止戦略にとって重要な海域である。
 これらの海に浮かぶ島や岩礁はそこに軍事施設を建設すれば、警戒監視に役立つ。
 このため、中国は1992年の領海法で尖閣諸島や西沙・南沙諸島など、すべての島の領有を宣言したのだ。
 その後、実際に中国は南シナ海の島に軍事施設を建設し、周辺国から岩礁を奪ってきた。
 ただし、東シナ海では圧倒的に日米の軍事力が中国のそれに勝っているため、「棚上げ」を主張しながら、徐々に存在感を増すというやり方を取ってきた。

 中国が主張する「棚上げ」は、日米に対してより優位な軍事力を持つまでの時間稼ぎに過ぎない。
 ただし、今はまだ軍事バランスは日米に有利である。
 おそらく、石原慎太郎・前東京都知事の購入発言がなければ、中国としては尖閣諸島をめぐって日本と事を構えたくはなかっただろう。
 だからこそ、船や航空機などの実力を使って、日本側に「棚上げ」を受け入れさせようとしている。

 尖閣問題が台湾問題に直結している以上、中国が尖閣の領有をあきらめることはない。
 それは中国が「核心的利益」と呼ぶ台湾やチベット、新疆ウイグルなどに誤ったメッセージを送ることになるからだ。

■日本が取るべき対応

 このように、尖閣諸島の本質が台湾問題であることを認識した上で、日本として世界にどのような発信をしていく必要があるか考えたい。

 まず、日本政府の立場は、尖閣諸島が日本固有の領土であり,尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在していないというものだ。
 すでにみたように、台湾と中国の主権には法的根拠がなく言いがかりに過ぎないため、領有権について話し合う余地がないのは当然である。
 言いがかりに屈しては戦後の国際法秩序が崩れてしまう。

 ただし、この説明は国際社会に向けてはより丁寧に行う必要がある。
 事情をよく知らない国から見れば、日本がかたくなに紛争の存在を否定しているようにとらえられているからだ。
 「固有の領土」というのは国際的に広く受け入れられる概念ではないため、これを前面に出すよりも、尖閣諸島が台湾の一部であるというフィクションが1970年前後に作り上げられたことを説明し、尖閣問題の本質が台湾問題であるということを強調する方が効果的である。

 次に、日本は領有権問題の存在を認めなくても、国際法に基づいた資源の共同開発には応じるということを、より国際社会にアピールするべきだ。
 この点では、今年結ばれた日台漁業協定が良い例となる。
 日本と台湾は領有権問題では意見を異にしているが、双方とも平和的な手段を選択し、協力できるということを示したからだ。
 これは、ガス田の共同開発に合意しながらもそれを反故にし、実力による一方的現状変更を試みる中国に対する牽制となる。

 最後に、尖閣問題がアジアの将来の試金石だということを強調すべきだ。
 このまま中国が強硬な姿勢を取り続ければ、アジアの将来は暗い。
 日本が尖閣で譲歩すれば、地域における中国の強硬姿勢に拍車をかけるだろう。

 日本は、国際協調と法の支配に基づいた明るい未来をアジアにもたらすために、毅然とした領土保全政策を取っていることを国際社会に示し、中国がその行動を改めるように国際社会と一体となって働きかけなければならない。

著者:小谷哲男(こたに・てつお) 日本国際問題研究所研究員
1973年生まれ。同志社大学大学院法学研究科博士課程満期退学。ヴァンダービルト大学日米関係協力センター客員研究員、岡崎研究所特別研究員等を歴任。専門は日米同盟と海洋安全保障。法政大学非常勤講師及び平和・安全保障研究所・安全保障研究所研究委員を兼務。中公新書より海洋安全保障に関する処女作を出版準備中。


 日本としては中国が安易に「棚上げ」をして、
 平和的ポーズをとられることが一番マズイことになる。
 中国が露骨に「脅し」をしかけてくれば、「自国防衛」という大義でこれまでタブーだった軍備強化に一歩も二歩も踏み出せる。
 現代において、兵器もハイテクであり、一年の遅れは挽回するのに多大の力と時間を要することになる。
 アジアにとって中国は大国であり、そのままこの国の横暴を許すには発展するアジアという地域にとって、あまりにリスクが大きすぎる。
 よってどうしてもアジアの安泰を保つには、抑えとしての日本が欠かせない。
 中国と日本が対峙する緊張状態においてアジアの平和は維持される、といってもいい。
 そのためには日本はそこそこ中国を恐怖と感じない程度の防衛力を維持していかねばならないということになる。
 そのために、日本にとっては
 常に中国という巨悪の襲撃にさらされており、国を守るためにささやかではあるが軍事強化を行っていかねばならない、
という名分がぜひとも必要になるのである。
 そうでもしないと、平和国家日本の立場が成り立たないし、国民を納得させることもできない。
 よって、安易に中国が鉾を収めてしまっては、すこぶる困ることになるのである。
 ためにどこまでも
 「尖閣諸島の領有権問題は存在しない」
という立場を貫いて、中国を刺激し続けなければならないわけである。

 しかし、尖閣が台湾の所有としての中国領土か、それとの沖縄の所有としての日本領土か、ということになるなら、しばらくは中国を刺激し続けられるであろう。
 ちなみにアメリカは「台湾の地位は未定」としている。
 同様にアメリカは尖閣の領有権には踏み込まず「施政権は日本に」あるとしている。

レコードチャイナ 配信日時:2013年9月6日 20時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76468&type=0

米国議会最新報告「台湾の地位は未定」との認識を発表―中国メディア

 この2つをまとめるとこうなる。

①.台湾の領有権は未定であるが、施政権は台湾にある。
②.尖閣の領有権は未定であるが、施政権は日本にある。

 国際法でいくと過去のいきさつは無視して
 現在にあって施政権を有するものが領有権を有する、
ということになる。


サーチナニュース  2013/09/14(土) 10:25
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0914&f=politics_0914_006.shtml

台湾問題ではいかなる譲歩もしない…中国が米国に伝える

  中国国防部は13日、9日に開催された第14回米中国防省防衛協議について報告し、中国人民解放軍の王冠中副参謀長は防衛協議で、 
 「台湾問題は中国の核心的問題で、われわれはいかなる譲歩もしない」
と強調したことがわかった。
  中国国際放送局が報じた。

  王冠中副参謀長の発言に対して、米国防省のミラー次官は、
 「われわれは中国と対話を続け、両軍関係を発展させ、既成大国と新興大国の衝突を避けることに努めている。
 われわれは台湾独立に反対している。
 中台両岸が交流を通じて問題の平和解決を図ることを歓迎する」
と応じた。




減速する成長、そして増強される軍備


_

中国が強く出れば、日本も強く返す:「脅しの倍返し」

_


●10日、中国外交部報道官が定例記者会見で尖閣問題に関する質問に回答し、「日本は自らの挑発行為がもたらすあらゆる結果の責任を負わなければならない」と語った。写真は中国海警局の公船・海警。

「中国の突然の軍事行動は、日本の横暴をやめさせるための警告だ」
そうであるが、日本は
 「脅しの倍返し」
で対応するようである。
 「中国が「脅し」という名の警告」
を出すと、日本はその倍返しを画策する。
 日本が中国の脅しに屈すれば問題ないのだが、長い歴史のなかで
 日本は中国を「怖い」とはまるで思わなくなっている。
 中国にしてはそれが何とも面白くない。
 日本が中国の脅しにヒザを折ることが無い限り、日本の中国の脅しに対する倍返しは続くことになる。
 つまり、中国は日本の軍備強化に大義名分という援助の手を差し伸べている
 ように見える。
 そこが中国の本音とは思えないが、国内の不安定化から、日本が強く対応することが分かっていても、そうせざるを得ない状況に陥っているということなのだろう。
 尖閣の初期失敗は大きなツケを残してしまった、ということであろう。


サーチナニュース 2013/09/10(火) 14:20
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0910&f=politics_0910_002.shtml

東シナ海上空で無人機を確認…中国国防部「大げさに騒ぐな」

  中国網日本語版(チャイナネット)によると、9日午前、国籍不明の無人機とみられる航空機が尖閣諸島(中国名:釣魚島)付近の東シナ海上空で確認された。
 航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発信した。

  中国国防部はこれに対し、
 「これは中国軍の定例訓練であり、関係国家は大げさに騒がないよう望む」
との声明を発表した。

  NHKによると、防衛省が日本周辺で無人機の飛行を確認したのは今回が初めて。
 航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させて警戒を行い、防衛省もまた撮影した写真から無人機の国籍の分析を急いでいる。

  中国国防部新聞事務局は同日、「年度計画に基づき、中国軍は東シナ海の関連海域で定例訓練を実施している。
 関連する国際法と国際的なルールに合致するものであり、関係国家が大げさに騒がないことを希望する」と述べた。



2013/09/10 13:39   【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013091001001442.html

菅官房長官、公務員常駐も選択肢 尖閣諸島実効支配強化で

 菅義偉官房長官は10日の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島をめぐる実効支配強化のための公務員常駐に関し「選択肢の一つだ」と述べた。
 ただ「実際、どのような状況で検討するかは戦略的観点から考えていくべきだ」とも指摘した。

 一方、外務省幹部は10日、中国軍の無人機が日本の防空識別圏に入り、尖閣諸島付近を飛行したことについて「中国政府に関心を持って注視していると伝えた」と記者団に明らかにした。
 事実上自制を求めた形だ。

 外務省は9日に在日中国大使館に伝えた。
 別の同省幹部は無人機飛行に関し
 「国際法上問題ないが、(中国軍の動向に)今後も注意を払う必要がある」
と語った。



レコードチャイナ 配信日時:2013年9月11日 11時56分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76656&type=0

尖閣日本国有化から1年、
「日本は挑発行為の責任を負うべき」
「公務員常駐論」も一蹴―中国外交部

 2013年9月10日、中国外交部ウェブサイトによれば、同部の洪磊(ホン・レイ)報道官が定例記者会見で、尖閣諸島(中国名:釣魚島)に関する質問に答えた。

 11日、日本政府による尖閣諸島国有化から1年となる。
 これまで、日中双方はこの問題で対立を続けており、外交にもその影響が出ているが、中国側は現段階でこの問題をどのように見ているのか?
 10日には中国海警局の公船8隻が尖閣周辺の日本領海を航行したが、これは日本の尖閣国有化1周年とは関連があるのか?

 これらの問題について洪報道官は、
 「日本が中国の領土である釣魚島を不法に“国有化”し、中国の領土主権を侵害したことが日中関係に深刻な状態を引き起こした」
とし、
 「日本に歴史と現実を直視するとともに、行動を以て誤りを正すよう求め、中国の主権を侵害する全ての挑発行為を停止し、両国関係を阻害する要素を取り除き、これを改善する努力をするように求めている」
と、これまでの主張を堅持したかたち。
 さらに、
 「釣魚島の主権を守る中国側の決意と意思は揺るぎない」
としつつ、
 「同時に対話を通じた平和的な問題解決に尽力していく」
と強調した。
 また、10日の中国海警局による尖閣海域航行については、
 「中国の公船が自国海域を航行することは、その管轄権を行使する正常な公務活動である」
と説明した。

 10日、日本の菅義偉官房長官は、尖閣諸島の実効支配を強化するため公務員を同島に常駐させることも選択肢の1つだと発言したことが報じられているが、これに関して中国側はどう見ているのか、という質問に対し、洪報道官は次のように答えた。
 「我々は日本側の関連する言説に強い関心を持っている。
 中国側は釣魚島の主権を守る決意と意思に揺るぎなく、日本側が中国の領土主権を侵害するいかなる挑発行為も容認しない。
 日本は公然と挑発行動を取ったことがもたらす、あらゆる結果の責任を負わなければならない」と語った。



レコードチャイナ 配信日時:2013年9月11日 13時49分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76663&type=0

日中領土問題、ロシアは中立の立場を表明、日本メディア「今が正念場」―中国メディア



●10日、ロシア国営ラジオ局「ロシアの声」の報道によると、同国外務省のイーゴリ・モルグロフ外務次官は、日中の領土問題においてロシアは中立であるとの立場を表明した。資料写真。

2013年9月10日、ロシア国営ラジオ局「ロシアの声」の報道によると、同国外務省のイーゴリ・モルグロフ外務次官は、
 日中の領土問題においてロシアは中立である
との立場を表明し、
 「東シナ海、南シナ海の領土問題は当事国が冷静になり解決する必要がある」
と指摘した。
 新華社通信が伝えた。

 一方、日本メディアは「尖閣国有化以降日中関係が急速に悪化していることもあり、日中関係は(国有化1周年の)11日に正念場を迎え、双方の危機管理能力が試されている」と報道している。

 日中関係について、中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東(リュー・ヤオドン)主任は、
 「日本のあらゆる言動に対し、中国は対応策を準備している。
 安倍政権が強硬姿勢を強め、公務員を釣魚島(尖閣諸島)に派遣するようなことがあれば、中国は主権維持の強化をする」
と述べた。

さらに、中国現代国際関係研究院日本所研究院の劉軍紅(リウ・ジュンホン)氏は、
 「中国市場に期待する日本企業が安倍氏に圧力を与え、
 日本政府の考えを改めさせることができるかもしれない
と分析している。


 中国の市場にあまり期待しないようにと経済構造改革をして、新興国に市場を開こうとしているのが、今の日本の状況である。
 だからして、現政権は中国に強くでることができている。
 もし中国市場への期待が大きいならこの状況では安倍内閣はもたないだろう。
 日本はもし中国が
 日本との交易を止めて経済封鎖することになってもやっていかれるだけの状態を早く作りだそうとしている。
 もちろん、中国はそのようはことはしない。
 なぜなら、
それでダメージを大きく食うのは日本ではなく中国自身である
ことは分かっている。
 だからこそ、日本は中国に強く出られるのである。
 問題は中国の国内である。
 民族的煽りを絶え間なく続けていくと、よほど注意していても突然ほんの些細なことから火がつくことがある。
 そのとき中国は混乱状態になる。
 要は日本はそうなってもダメージを最小限にしたい、という思惑で動いているということである。
 「中国リスク」とは
 「いまそこにあるリスク」
なのである。
 だからこそ、それから逃れるために新興国開発に積極的に打って出て、第二次産業の中国からの脱出を試みているわけである。
 中国には第三次産業を残し、世界の工場機能は縮小する、
 これがチャイナリスクへの対応策ということなのだろう。



減速する成長、そして増強される軍備


_